ロッテ・岡田 9回2死から“絶妙”初球バントV打

[ 2014年5月19日 07:27 ]

<日・ロ>9回2死二、三塁、バント安打を決める岡田

パ・リーグ ロッテ4―3日本ハム

(5月18日 札幌D)
 本塁打はいらない。たった1本の内野安打が試合を決めた。3―3の9回2死二、三塁。ロッテの岡田は打席に入る際に、ある言葉を思い出した。

 「熱く冷静になれ」。清水外野守備走塁コーチに耳にたこができるほど叩き込まれているフレーズだ。自分が打てばチームの勝利は濃厚となる。「3連敗だけはしたくないと気持ちで必死だった」岡田は、ここで冷静に状況を確認。日本ハムの守備陣形。三塁の飯山は定位置より後ろに構えている。マウンドは2メートル1のクロッタ。長身ゆえに打球処理などの技術にはたけていない。「(クロッタ相手に)力勝負では勝てない。飯山さんの位置も後ろだった」と、迷わず「セーフティーバント」の結論に達した。

 狙い通り初球を三塁線に転がす。飯山は素手でつかんで送球も岡田の俊足が上回った。飯山の頭に「バント」の発想はなかった。「ポジショニングが甘かった。あれが精いっぱい」と悔しがる絶妙の小技だった。岡田はプロ通算511試合、1698打席で本塁打がゼロ。野球の醍醐味(だいごみ)は華やかなアーチだけではないことを、自らが実証している。

続きを表示

2014年5月19日のニュース