栗山監督 鬼采配5割復帰「かわいそうだけど、勝つため」

[ 2014年5月16日 05:30 ]

<日・西>お立ち台でポーズをとる(左から)宮西、カーター、谷元、増井、クロッタ

パ・リーグ 日本ハム6―4西武

(5月15日 札幌D)
 とびっきりのスマイルが5つ並んだ。試合後のお立ち台には、日本ハムの2番手以降の5投手がひしめき合うように上がった。谷元、カーター、宮西、クロッタ、そして増井。早めの継投策が奏功し3連勝、勝率を再び5割に戻した。

 心を鬼にした。4点リードの5回無死一、三塁で、栗山監督は秋村球審に2番手・谷元を告げた。メヒアと中村にソロ2発を浴びたとはいえ、先発・上沢はあと打者3人を抑えれば、今季6勝目の権利を手にするところだった。

 「きょうは絶対に負けられない展開。あそこで手を打たないわけにはいかない。上沢にはかわいそうなことをしたが、チームが勝つための判断」

 指揮官が非情な決断を下したベンチでは、上沢が顔面蒼白(そうはく)でグラウンドを見つめたまま。試合後には「最低限の投球ができなくて悔しい」と唇をかんだ。

 ブルペン陣の充実も背中を押した。アシュリー夫人の次男出産に立ち会うために米国へ一時帰国していたクロッタも13日に再合流。守護神・増井の登板も中8日と間隔が空いていた。小刻みに継投できる条件がそろっていた。バトンを受け取った谷元は「上沢のためにも抑えて帰りたい」とピンチを1点だけで切り抜けて今季初勝利。鬼に徹した栗山監督も「これが他球団に自慢できるリリーフ陣」と胸を張った。

 目指すのはあくまでも頂点。指揮官は「また、ここからスタートを切ることができる」とも言った。16日からは本拠地で開幕から6連敗中のロッテを迎える。首位ソフトバンクとはまだ6ゲーム差。まずは天敵を討って、交流戦で勝負をかける。

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