DeNA 今季初サヨナラで4連勝 代役・井手が決めた

[ 2014年5月12日 05:30 ]

<D・ヤ>サヨナラ打を放った井手の水をかけ、歓喜のDeNAナイン

セ・リーグ DeNA3―2ヤクルト

(5月11日 横浜)
 ヒーローの第一声は「ゴホッ」だった。延長10回2死満塁。井手の打球は一塁線を破った。DeNAが今季35試合目で初のサヨナラ勝利。あまりの喜びにノドがカラカラになり、お立ち台で思わずせき込んだ。

 「守備位置を見て逆方向に打てば抜けると思った。四球を狙うつもりはなかった」

 3ボール1ストライクから制球の定まらないロマンの5球目。見逃せばボールと判定された球だったが、迷わず強振した。「前の打席はチャンスで打てなかった」。8回。同点に追いつき、なお1死一、二塁。右の秋吉に対し左の下園がベンチにいたが、中畑監督は井手をそのまま打席に送った。結果は三ゴロ併殺打。その悔しさを最後の一打で晴らした。

 チームにとっては「魔の一塁」。ブランコが左太腿肉離れ、中村紀が采配批判で懲罰的降格、後藤も左内転筋痛とアクシデントが続いたポジションだ。井手も本来は外野手だが、4月24日に2軍降格すると右腕を痛めるほど一塁の送球練習を繰り返した。そしてこの日、再昇格を果たすと、プロ13年目で初の一塁先発をつかみとった。

 中畑監督も「(1軍に)上がってすぐね。そういうツキを持ってるのかな」とご満悦。チームは今季2度目の4連勝で本拠に限れば6連勝。9連戦を6勝3敗で締め「最高だね。選手みんなの心がつながって強くなってる」と手応えを口にした。「母の日」のこの日は同時に長女・恵さんの誕生日。自身2人目の孫の母親でもある娘と祝杯を挙げるため、指揮官は足取り軽く球場を後にした。

 ▼DeNA・長田(10回を3人で抑え今季1勝目)9連戦で中継ぎも大変だった。勝ったので次も戦えます。

 ≪井手は3本目のサヨナラ打≫DeNAが延長10回に井手の自身3本目となるサヨナラ打で勝利。DeNAの延長戦勝利、サヨナラ勝利はともに今季初めて。同一カード3連戦3連勝は昨年7月26~28日阪神戦以来、中畑監督が就任した12年以降5度目となった。この日は0―2から逆転勝ち。今季のDeNAは14勝中9勝が逆転で、巨人の11勝に次ぎリーグ2位。2点差以上の逆転勝ちは5度目で、巨人と並びリーグ最多タイと粘り強さが目立つ。

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2014年5月12日のニュース