ダル「凄く悔しい」“天敵”相手にメジャー最短4回途中KO

[ 2014年4月30日 05:30 ]

<レンジャーズ・アスレチックス>交代を告げられガックリのダルビッシュ(右)

ア・リーグ レンジャーズ0―4アスレチックス

(4月29日 アーリントン)
 屈辱の今季初黒星だ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は28日(日本時間29日)、アスレチックス戦に先発し、3回1/3を6安打4失点。メジャー自己最短で降板し、球団記録を更新していた先発として5回以上を投げた連続試合数も56でストップした。ダルビッシュ自身、同率首位で並んでいたア軍相手には一昨年6月から7連敗となり、チームも2位に陥落した。

 5回のマウンドにダルビッシュの姿はなかった。4回に犠飛で4点目を失い、9番打者にストレートの四球を出して交代を告げられた。メジャー66試合目の登板で最短KO。「きょうみたいに早いイニングで降りるのは、先発として凄く悔しい」と、降板後はぼう然自失でベンチから戦況を見守るしかなかった。

 2回までは1安打無失点、3奪三振と無難に立ち上がったかに見えたが、その裏では有効な「ジャブ」を食らっていた。1巡目で4球未満で仕留めた打者はわずか1人で、3ボールが6人。「安打も四球も同じ」と語るビリー・ビーンGMが描く「マネー・ボール」を実践するア軍打線に際どいコースは見極められた。レ軍のロン・ワシントン監督も「相手は狙いが徹底されていた。ボール球に手を出さなかった」と振り返った。

 そして迎えた3回。一転して、ダルビッシュはア軍に好機で積極果敢に攻め立てられた。2四死球と安打で1死満塁とピンチを招くと、ドナルドソンに初球の外角スライダーを左前に運ばれる2点適時打を浴びた。ダルビッシュは「たまたまいいところに飛んだだけ」と話したが、ドナルドソンの見解は違った。「確かにいい当たりではなかったが、スライダーを狙っていた」。ダルビッシュから4本塁打を放っているモスが補足する。「ダルビッシュは球種が豊富で三振を取れる。待球し続ければ術中にはまるだけ。早いカウントからスーパーアグレッシブに打っていくことも大事だ」。3回のドナルドソン、4回に右翼線適時三塁打を打ったレディック、左犠飛のバートンはいずれも追い込まれる前の球を仕留めたもの。83球を投げてたった2つの空振りしか奪えなかったダルビッシュ自身も「いいアプローチをしているんじゃないですか」と認めざるを得なかった。

 4失点で今季初黒星を喫しただけでなく、優勝争いの最大のライバルであるア軍相手に、これで3年越しの7連敗。9戦で1勝7敗となった。「もう終わったこと。誰にでもこういうことは起きる」と話す一方で、「去年から、気付けてなかった部分が、投げ終わった後にこうかなと思えた。次はそれができればいい」と不敵に笑った。そこには、ただでは転ばない、という矜持(きょうじ)がのぞいていた。

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2014年4月30日のニュース