マー不敗神話継続!7回途中2失点ビハインド降板も打線逆転

[ 2014年4月29日 05:30 ]

<ヤンキース・エンジェルス>3回無死三塁、トラウトを見逃し三振に仕留める田中

ア・リーグ ヤンキース3―2エンゼルス

(4月27日 ニューヨーク)
 マー君は負けない!ヤンキース・田中将大投手(25)が27日(日本時間28日)、エンゼルス戦に先発し、5四死球と制球に苦しみながらも6回1/3を5安打2失点。スポーツ専門局ESPNで全米に生中継された試合で、強力打線を相手にメジャー自己最多の11奪三振と力投した。1点ビハインドで降板したが、チームは田中の黒星を消す逆転勝ち。一昨年からのレギュラーシーズンの不敗神話は継続された。

 ピンチでこそ力を発揮できる。その姿はメジャーに行っても変わらない。0―1の5回2死、左翼のイチローがフェンス際の飛球を捕り損ね、三塁打となった直後だ。5番・アイバーを2球で追い込むと、スプリットで空振り三振に仕留めた。

 「(大事なのは)抑えようという気持ちじゃないですか。後は打者との駆け引き」

 3、4回も先頭打者に二塁打を浴びた。しかし、失点は4回1死満塁から内野ゴロによる1点と最小限にとどめた。田中の凄さを示す数字がある。被打率・077。これはメジャー5試合で得点圏に走者を置いた場面での成績だ。この試合の7打数無安打5三振を含め、通算26打数2安打で、実に17三振を奪っている。ジョー・ジラルディ監督も「彼はマウンドで戦っている。アウトを取りたい時に取る方法を知っている」と称賛した。

 メジャートップの本塁打数を誇るエンゼルス。普段以上に慎重だった。過去4試合で2四球だったが、4回までに5四死球。「こういう日だと割り切った。球数は増えても雑にならず、丁寧に投げようと」。我慢の投球を支えたのは、宝刀スプリット。「他に頼る球がなかった」と11三振中、9個をこの球で奪った。

 3勝目を挙げた翌日の23日。練習中、ラリー・ロスチャイルド投手コーチを交えて黒田とスプリットの握りを見せ合う田中の姿があった。「常に探求心を持ってやっています」。打たれても抑えても反省と研究を忘れない姿勢が、負けない右腕をつくり上げた。

 味方が追いついた直後の6回。先頭フリースに右中間にソロ本塁打された。「追い付いていただいた後、初球をああいうふうにやられてしまった」と反省したが、粘りの投球はナインに伝わった。7回にテシェイラが同点弾。8回は無安打で勝ち越した。「逆転を祈っていた。勝てたことがうれしかった」と、31まで伸びているレギュラーシーズンの連勝記録が途切れなかったことより、チームの勝利を喜んだ。

 自身の登板では初めて全米中継された試合。22歳の若き主砲トラウト、通算501発のプホルスとメジャー屈指の強打者2人にも計6打席で3三振を奪った。「各チームにそういう打者は必ずいますので、いつも勉強させていただいています」。随所に「○○していただいた」と謙譲語を交え、貪欲に進化を求める。次回は5月3日(日本時間4日)のレイズ戦に先発予定。田中は負けないまま4月を終えた。

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2014年4月29日のニュース