雄星 初勝利ヨロシク 「YUSEIタオル」でファンと♪Ha~Ha

[ 2014年4月20日 05:30 ]

<西・オ>試合後に「YUSEI」タオルを掲げるファンと万歳する菊池(16)

パ・リーグ 西武6-3オリックス

(4月19日 西武D)
 白星の味をじっくりかみしめた。左肩痛を乗り越えた。開幕3連敗も乗り越えた。本拠地のお立ち台に上がった西武・菊池は感慨に浸った。

 「今シーズン、もう勝てないかと思った。この1勝のために、リハビリをやってきた」。昨季は前半戦だけで9勝を挙げたが、左肩痛で後半戦を棒に振った。昨年7月5日ロッテ戦(西武ドーム)以来288日ぶりの白星。そして「YUSEIタオル」を頭の上に掲げ「本日発売なので必ず買って帰ってください」と宣伝も忘れなかった。

 西武ドーム全体が菊池を後押しした。登場曲は矢沢永吉の名曲「止まらないHa~Ha」。菊池がマウンドに上がる際、矢沢のライブ同様「Ha~Ha」の歌詞に合わせて、ファンがこの日発売された「YUSEIタオル」を頭上に投げた。燃えないわけがなかった。

 初回から直球で押した。今季最速の150キロを計測し、8回無死一塁ではリーグトップの9本塁打を放つ4番ペーニャを内角への146キロで空振り三振に仕留めた。「力で押し込めたのは収穫」。5日の対戦では同じく直球勝負を挑み京セラドームの5階席に届く140メートル弾を浴びた。力でねじ伏せるリベンジだった。

 テークバックで腕を伸ばす元の形に戻し、前に突っ込み気味のフォームを修正した。さらに伊原監督の助言で、最初から走者がいない場面もセットポジションで投げた。プロ入り後、初めての試み。試行錯誤が奏功し「やっと納得のいく直球が投げられた」と息をつき、指揮官も「去年のいい時に戻ったような投球だった」と目を細めた。

 今季から背負う背番号「16」での初勝利もうれしかった。昨季引退した石井一久氏(スポニチ本紙評論家)から継承。9日に西武ドームを訪れた石井氏から「これまで続けてきたことをやれば心配ない」と声を掛けられた。「リトルカズさんになりたい」と言うほど憧れの先輩からの激励に応えた。「1つずつ勝って僕の借金を返していきたい」。一歩ずつ、自身初の2桁勝利を目指す。

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