春の珍事では終わらせない!広島14年ぶり貯金6 首位堅守

[ 2014年4月18日 05:30 ]

<広・神>3回無死三塁、エルドレッド(中央)は5号2ランを放ちバリントン(右)らとハイタッチ

セ・リーグ 広島8-2阪神

(4月17日 マツダ)
 広島は17日の阪神戦(マツダ)に8―2で完勝。3連戦を2勝1敗で勝ち越し、首位の座をがっちり守った。殊勲は開幕から好調なブラッド・エルドレッド内野手(33)だ。バックスクリーンへの5号2ランを含む2安打3打点の活躍。投げてはバリントンが8回5安打1失点で2勝目を飾った。快進撃が続く赤ヘルは00年以来、14季ぶりの貯金6とした。

 貧打にあえいでいた打線が一転、阪神の先発・メッセンジャーに牙をむいた。序盤から効果的に得点を積み重ね、今季3度目の2ケタ10安打で、8得点。その中心で奮闘したエルドレッドはバリントン、松山と並んだお立ち台で「打撃陣がサポートし、いい試合だった」と笑顔で語った。

 1回から存在感を発揮した。中前打から二盗に成功した丸を2死二塁に置く場面。インハイ、アウトローのボール球を見極めて四球を選び、松山の先制打をお膳立て。自慢のパワーをサク裂させたのは、先頭・丸が右翼線三塁打で好機を演出した2―0の3回だ。

 外寄りへ投じられた初球の149キロをジャストミート。快音に弾かれた打球はグーンと伸び、バックスクリーンへ吸い込まれた。初戦に藤浪から一発を放って以来、2試合ぶりの5号2ラン。助っ人は胸を張った。

 「コンパクトなスイングで外野に打ち上げようと思った。思ったよりも飛んで行ったね」

 観客を沸かせたシーンはまだある。6―1の7回。2死一塁に三たび丸を置き、2番手・金田の甘い141キロ直球を叩いた。角度よく上がった打球は、惜しくもバックスクリーン手前で失速したが、堂々のダメ押し二塁打。「パワーが足りなかったね」と苦笑した。

 来日3年目の今季は開幕から好調を持続し、打率・386、11打点をマーク。キラリと光るのは技術面の進化だ。キャンプ中から野村監督のアドバイスに耳を傾け、ボール球に手を出す場面が格段に減少。内角球には腕を畳み、外角球を見極めるケースも増えた。

 「投手がストライクゾーンで勝負する状況をつくりたいんだ。今はそれが奏功している。ケニー(野村監督)のアドバイスもすごくタメになっている。反復練習で思い出させてくれる」

 開幕16試合で無安打はわずか3試合。コンスタントに打つ右の大砲を、指揮官は「伝えているのは、タイミングをゆっくり取って、バットを内から出しましょう…その2点。継続していい状態だね」と目を細めた。充実一途の背番号55。春の珍事では終わらせない。

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