52年の時経て“怪童”再び 上沢3戦3勝だ

[ 2014年4月17日 05:30 ]

<オ・日>3勝目をあげウイニングボールを手に笑顔の上沢

パ・リーグ 日本ハム8-3オリックス

(4月16日 京セラD)
 最後は息切れした。それでも、プロ3年目の20歳とは思えない堂々とした投球だった。日本ハム・上沢が、7回3失点で開幕3連勝。プロ初登板から全て先発での3連勝は球団史上初の快挙だ。

 「初回はコントロールが思うようにいかなくて苦しい展開でした。ゲームをつくれたことは良かった」

 初回に2四球でいきなり1死一、二塁のピンチを招いたが、ペーニャ、T―岡田を打ち取って切り抜けた。その直後。上沢は、ベンチを素通りし、小走りでブルペンに向かった。「あまりにもしっくり来なかったので、フォームを修正しました」。試合中に超異例のブルペンでの突貫工事。ブルペンと球場のマウンドの傾斜が違うと感じたため、いつもよりステップ幅を狭めたという。その修正が効き、2~6回までは1人の走者も許さない完璧な内容だった。

 ノーヒットノーランの夢もちらつき始めた7回。先頭の糸井に2ボールから右前打で初安打を許すと、1死後にT―岡田、坂口に連続本塁打を浴びて3失点。結局、この回限りで降板したが、先発としての役割は十分に果たした。

 ロッテの唐川そっくりの投球フォーム。専大松戸(千葉)時代から映像を繰り返し見て、より打者に近い位置でリリースする投球フォームをつくりあげた。2月22日のロッテとのオープン戦(名護)でも、ブルペンで投げる憧れの投手をじっと見つめていた。この日の最速は143キロ。唐川同様、直球の球威で押すタイプではないが、球の切れで打者を押し込んだ。

 栗山監督は「テンポがいいから打者が点を取りやすい」と打線の援護を呼び込んだ投球を評価した。まだ20歳。すでに勝つだけでは喜ばないあたりが、成長の証だ。

 ≪先発3戦3勝は日本人初≫3年目の上沢(日)がプロ初登板からオール先発で3戦3勝。日本ハムの投手で初登板から3戦3勝は02年シールバックが全て先発でマークして以来12年ぶり。チームの日本人では62年尾崎以来52年ぶり2人目になる。ただし、尾崎は3試合救援で挙げたもの。先発3戦3勝の日本人投手は上沢が初めてだ。

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2014年4月17日のニュース