初陣へ予行万全!松井裕 初コボスタで社会人手玉4回8K

[ 2014年3月27日 05:30 ]

<楽天・日本製紙石巻>7回1死、長谷川を三振に打ちとる楽天・松井裕

練習試合 楽天6-0日本製紙石巻

(3月26日 コボスタ宮城)
 予行演習はOKだ。楽天のドラフト1位・松井裕樹投手(18)が26日、今月の第69回東京スポニチ大会で準優勝した社会人野球の日本製紙石巻との練習試合に5回から2番手で救援登板。プロ入り後、初めて踏んだ本拠地・コボスタ宮城のマウンドで、4回を8奪三振、3安打無失点と格下扱いした。プロ野球は28日にセ、パ両リーグが同時開幕。松井裕は4月2日のオリックス戦(コボスタ宮城)で公式戦デビューを果たす。

 プロではなく社会人相手。だから、余計に意識を高く持った。6回無死一塁から一走の後藤が盗塁死。走者がいなくなったが、松井裕はセットポジションを継続した。頭の中に走者を想定しながら南條をチェンジアップ、川畑は直球で連続三振。1週間後の公式戦デビューに向けて、18歳は前を見据えて言った。

 「シーズンではセットで投げる機会も多いと思う。何かをしなければいけないと思った」

 4月2日のオリックス戦に向けて、本拠地の感触を確かめられたことが最大の収穫だった。コボスタ宮城のマウンドは、桐光学園時代に慣れ親しんだ横浜スタジアムと同じ赤土でもあり、松井裕は「自分は赤土が好き。硬さもいい感じで投げやすかった」と振り返った。

 5回から2番手でプロ初の救援登板し、先頭で迎えたのは桐光学園の先輩にあたる伊東。いきなり中前打を許したが、後続を3者連続空振り三振に仕留めると、4回を3安打無失点。12アウトの中で8三振を奪った。「いい球がたくさんあったので、次につながる」と最速147キロを計測した直球の球威には満足感を漂わせたが、一方で「空振りが取れてしまったので、力んで球が高くいってしまった。いい球と悪い球がはっきりしていたので平均的にいい球を投げていきたい」と反省点も挙げた。

 普段はワンバウンドで空振りを取るスライダーがストライクゾーンに甘く入る場面もあった。プロは1球の失投が命取りとなる。通常、イニング前の5球の投球練習は直球と何種類かの変化球を1球ずつ投じることが多いが、8回の前にはスライダーを3球も投じた。シーズン開幕前の最後の実戦登板。試合以外の投球も無駄にしなかった。

 中6日で臨む「4・2」のオリックス戦も、この日と同じ午後2時のプレーボール。この日の登板中の気温はおよそ14度だったが、当日は晴のち曇予報で予想気温も12度。同じような気象条件となる可能性が高い。デーゲームとはいえ、まだまだ肌寒く、ベンチでは防寒用のトレーナーを着用。環境への対応も勝利への鍵となる。

 「開幕ローテーションに入ることはできたけど、ここからが本当のスタート。(4月2日は)最高の状態でマウンドに上がれれば。自分の持っているものを全力でぶつけ、チームの勝利に貢献したいです」

 臨戦態勢は整った。昨季24勝無敗で楽天を日本一に導いた田中がヤンキースに移籍した2014年。新たなスター誕生の幕が切って落とされる。

 ▽コボスタ宮城 正式名称(14年~)は楽天Koboスタジアム宮城。所在地は仙台市宮城野区。50年に竣工、05年に楽天の参入と同時に全面改修。両翼100.1メートル、左・右中間116メートル、中堅122メートル。内、外野とも人工芝。収容人員2万5723人。

続きを表示

2014年3月27日のニュース