則本 2年連続開幕!6回0封で勝ち取った 今年は「楽しみたい」

[ 2014年3月22日 05:41 ]

<中・楽>平田の投ゴロをさばく則本は2年連続の開幕投手を確実にした

オープン戦 楽天5―5中日

(3月21日 ナゴヤD)
 10人の開幕投手で唯一の無失点だ。楽天の則本昂大投手(23)が21日、中日戦に先発し、6回を2安打無失点。オープン戦最終登板で結果を残し、28日の西武戦(西武ドーム)で開幕投手を務めることが確実となった。則本は新人時代の昨季も開幕投手を務めており、1年目から2年連続の大役は50年の2リーグ制後では54年ぶり史上3人目となる。この日は開幕投手が決定的な10人が先発し、「プレ開幕戦」の様相。中6日で28日の本番に向かう。

 重圧に勝った。6回を投げ終え、三塁ベンチに向かう則本はようやく笑みを浮かべた。逆球が多く、制球は完璧ではなかった。それでも任された6イニングをゼロに抑えた。全ては開幕投手を手にするためだった。則本の開幕投手について、佐藤投手コーチは「それでいいんじゃない」と言った。2リーグ制後、2人しかいない新人から2年連続の大役。力でもぎ取った。

 「前回の悪かった点を修正して、テンポよく投げた。もし開幕を任されるのであれば、去年とは違う緊張感もあると思うけど、試合を楽しみたい」。初回1死一、二塁のピンチを招いたが、引退試合だった山崎に直球勝負を挑んで二ゴロ併殺。乗った。100キロ台前半のカーブや数種類の変化を持つ得意のスライダーも駆使し、2回以降は安打を許さなかった。パ・リーグで投げる機会が少なく、傾斜が急とされるナゴヤドームのマウンド。則本は結果を求めるため、走者がいなくても全てセットポジションから投じ「フォームのぶれが少なかった」という。最速も150キロに達した。

 前回15日のヤクルト戦(静岡)。結果を残せば開幕投手が決まっていた。ところが、5回を9安打6失点。不慣れな地方球場でフォームを修正できなかった。佐藤投手コーチは星野監督に「則本開幕」を打診したが、指揮官は首を縦に振らなかった。対照的にドラフト1位の松井裕はオープン戦4試合で16イニング2失点、防御率1・13の快進撃。「年下だからではなく一人の投手として負けたくない」。昨季、エース田中(現ヤンキース)に次ぐ15勝を挙げ、新人王に輝いたプライドがある。

 田中とは1月に初めて自主トレを行った。一つ一つの練習メニューをこなす姿を間近で見て「自主トレでも妥協がない姿勢が勉強になった」という。その田中から後継者に指名され、迎えたプロ2年目。「田中さん一人で優勝したと思われたくない」。新エースとしての決意を込めた言葉だ。星野監督は松井裕や美馬も開幕候補に入れ、競争意識をあおった。則本に力で開幕投手を勝ち取ってほしいからだ。逆球が多い内容に指揮官は「もっと完璧に抑えろよ」と言ったが、笑顔だった。

 開幕前最後の登板を終え28日の西武戦には中6日で臨める。「状態を上げて、ケガなく開幕を迎えたい」。昨季はWBCの疲労がたまっていた田中の代役だった。今年は違う。日本一連覇への大役。堂々と開幕マウンドに上がる。

 ≪新人から2年連続は54年ぶり3人目≫2リーグ制後、新人から2年連続で開幕投手を務めたのは58、59年杉浦忠(南海)、59、60年伊藤芳明(巨)といるだけ。則本(楽)が先発すれば、54年ぶり3人目になる。昨年の則本は開幕のソフトバンク戦で6回1/3を投げ、4失点敗戦投手。今季入団2年目で勝てば、05年岩隈久志の6年目を大幅に更新するチーム最速勝利になる。

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