中田 左翼戻った途端3安打「僕の場合メンタル的なものなので…」

[ 2014年3月20日 05:30 ]

<ソ・日>4回1死、右越えにソロを放つ中田

オープン戦 日本ハム4―8ソフトバンク

(3月19日 ヤフオクD)
 「元サヤ」弾だ。三塁挑戦中の日本ハム・中田翔内野手(24)が19日、ソフトバンク戦で今季初めて左翼で出場。ここまでオープン戦は打率1割台前半と低迷していたが、9試合ぶりの3号を含む3安打をマークし、復調ののろしを上げた。栗山英樹監督(52)は目前に迫った28日の開幕戦(対オリックス、札幌ドーム)は左翼で起用することを示唆。三塁コンバートは一時凍結となる。

 呪縛から逃れたように「左翼手」中田のバットは輝きを取り戻した。4回に寺原の外角速球を右翼席に運び、オープン戦9試合33打席ぶりの本塁打を放つと、今までの不振がうそのような猛打賞。主砲は試合後、照れくさそうにした。

 「ホームランはただの振り遅れ。でもバットの芯に当たってくれた。(左翼は)慣れている場所だし、気持ちよく守らせてもらいました。僕の場合、メンタル的なものなので…」

 開幕まで10日をきって打率1割台前半の中田に対し、栗山監督は一つの、そして大きな決断を下した。中田の三塁コンバートの「一時凍結」だ。昨秋キャンプから三塁守備だけをこなしてきた中田は試合前に左翼での出場を通達されると谷口のグラブを借り、今季初の左翼で2つの飛球を軽くさばいてみせた。

 12年にリーグ1位の19補殺を記録、昨季はベストナインにも選ばれるなど日本を代表する外野手になりつつあった中田を三塁にコンバートした背景には、栗山監督の「4番サード・長嶋(茂雄)を引き継ぐのは中田だと思っている」と将来的なビジョンがあった。さらに、常に速い打球に備える三塁守備は集中力を高め、打撃にも好影響を及ぼすとの判断もあった。だからこそ、あえてプロ2年目の春に当時の梨田昌孝監督に「失格」の烙印(らくいん)を押された三塁に再挑戦させた。

 キャンプ中の実戦は無難にこなした。ただ、「どう転がるかは分からない。一番不安に思っているのは自分自身」と話していたオープン戦に入って12試合で2失策。李大浩(イ・デホ)の打球をはじいた18日のソフトバンク戦後には「速いのが飛んでくると固まっちゃうんだよね。自分らしくないけど、いろいろ考えてしまって…」と珍しく弱気な言葉も口をついた。

 栗山監督は「これでサード中田がなくなるわけではない」としながらも「この(左翼・中田)選択肢はあったわけだし。翔のため、翔のことを考えて。チームを勝たせるということもあるし、翔の状態を早く上げなければいけない時期に来ているのは確か」と言及。前日まで3試合連続零敗を喫するなど、攻撃力不足が深刻なチーム事情から、残り3試合のオープン戦も含めて開幕は「左翼・中田」で臨む意向を示した。

 7回には追い込まれながら中前打。9回にはコンパクトなスイングで変化球を右前にはじき返すなど、打撃に柔らかさも出てきた。「外野のグラブ?あるよ。まだ捨ててないしね」。古巣で水を得た主砲に明るさが戻ってきた。

 ▼日本ハム・白井守備走塁兼作戦担当コーチ 打っちゃったしね。監督が決めることだけど(開幕は)レフトを守るんじゃないかな。

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