中島 不屈マルチ 開幕メジャー厳しくても「アピールするしかない」

[ 2014年3月20日 05:30 ]

<ホワイトソックス・アスレチックス>8回、代打で出場し右前打を放つ中島

オープン戦 アスレチックス16―6ホワイトソックス

(3月18日 グレンデール)
 アスレチックス傘下マイナーの中島裕之内野手(31)が18日(日本時間19日)、メジャーのオープン戦のホワイトソックス戦に出場し、今季初安打を放った。当初は守備だけの出場予定だったが、味方の猛攻で2打席に立ち2安打1打点。今春はメジャーのキャンプに招待されず、開幕メジャーは厳しい状況だが、限られたチャンスで必死のアピールを続ける。

 千載一遇のチャンスに中島は、はやる気持ちを抑えるのに必死だった。8回先頭で代打として登場。メジャーの試合では今季2打席目だった。「前回(三振)は打ちたい気持ちが出すぎた。力みすぎたらアカン」。8球粘った末、92マイル(約148キロ)の直球を鮮やかに右前へはじき返した。

 「きょうは守備だけで打席はないかなと思っていたら、急に言われて。チャンスをもらったら結果を出さないといけないので、打てて良かった」

 当初は8回の守備から出場予定だった。それが初回に9得点を挙げるなど猛攻が続いたこともあり、打席でのチャンスを与えられた。9回にも打席が回ると、2死一、二塁から右前に適時打し初打点もマークした。

 昨年、2年総額650万ドル(約6億6300万円)でア軍に入団。だがキャンプ中に右太腿裏を痛め、メジャーでは一度も出場がないまま、昇格の前提となる40人枠を外れた。今春は招待選手にも含まれず、3月のマイナーキャンプスタート。メジャーの試合に呼ばれる時は、あくまでもバックアップ要員だ。「どういう立場でも、自分がいるとアピールするしかない」。マイナー戦を含め、結果を残し続ければ、他球団のスカウトの目に留まる可能性はある。

 昨年苦しんだ打撃は西武時代のように左足を上げて振り抜く原点に回帰。心労から昨季中は87キロまで減った体重も、体脂肪率は維持したままベストの94キロまで戻した。右太腿裏には不安がなく「マイナーのキャンプでも野球をやっている感がある。結構楽しくやれているかな」。がむしゃらさを笑顔で覆い、悲願の夢舞台に立つ日を目指す。

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2014年3月20日のニュース