アジャ井上「スポニチ打法」だ マリン中堅左の看板に視線

[ 2014年3月14日 07:39 ]

雨の中、左中間のスポニチ看板前をランニングするロッテ・井上

 アジャが、「スポニチ打法」で進化します。巨人戦(QVCマリン)が雨天中止となり、ロッテのドラフト5位・井上は室内練習場で打撃を行った。右打席に入って精神を集中させると、頭に思い浮かべたのは「ス・ポ・ニ・チ」の4文字だった。

 「いつも紙面を見ているし、看板も見るように心掛けている」。井上のいう看板とは本拠地中堅左の外野フェンスにあるスポニチ広告。この言葉にはオープン戦8試合で24打数12安打、打率・500をマークする井上が、さらに成長するためのヒントが隠されていた。

 球界では日本人最重量の115キロを誇る巨漢。そのパワーが注目されているが、意外にも打撃は器用で12安打中10安打が中堅から右方向だった。2月20日の日本ハムとの練習試合(名護)で放った一発も右中間へ運んだ。一方で長所と弱点は紙一重である。井上は「右方向を意識しすぎて、内角が窮屈になっていた」と、無意識に左肩が体の内側へクローズ気味になる悪癖に悩んでいた。

 オープン戦では相手投手に内角を厳しく攻められることはなかったが、公式戦に入れば配球も変わってくる。そこで立花打撃コーチは「打席で視界を広くするために、スポニチの看板を見ろ」との珍指令を出した。中堅左にある「スポニチ」を打席からを眺めることで、井上の左肩はわずかに左中間方向を向く。これで外角は右、内角は左方向へ打ち返す構えができるというわけだ。

 14日のオリックス戦(QVCマリン)では、左ふくらはぎに張りがある今江の代役として、本拠地では初めて4番に座る。「自分はアピールするだけ」と井上。開幕1軍入りは決定的だが、中軸を任される打者になるために「スポニチ打法」でステップアップする。

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2014年3月14日のニュース