日通唯一3連勝で4強 新人・渡辺が快投

[ 2014年3月13日 05:30 ]

<日本新薬・日本通運>2失点で7回途中降板ながらも勝利投手となった日本通運先発・渡辺

全国社会人野球 第69回東京スポニチ大会予選リーグBブロック 日本通運4―3日本新薬

(3月12日 大田)
 12日、3会場で予選リーグ8試合が行われ、4強が出そろった。Bブロックは98年以来16年ぶりの優勝を狙う日本通運が日本新薬を4―3で下して唯一の3連勝をマーク。先発したルーキー・渡辺圭投手(22)が、7回途中2失点の好投で、上々のデビューを飾った。AブロックはJFE東日本、Cブロックは三菱自動車岡崎、Dブロックは日本製紙石巻がそれぞれ勝ち上がった。13日は大田スタジアムで準決勝、決勝の3試合が行われる。
【試合結果】

 1点差を逃げ切って3連勝。勝利を分かち合う日本通運ナインの顔には自信と落ち着きがみなぎっていた。唯一の全勝通過に、藪宏明監督は「きょう落としたら何も残らない。こういう試合を取れたことが良かった」と満足そうに振り返った。

 先発を任せられたのは新人左腕の渡辺だった。東海大甲府、東海大時代にドラフト候補にも挙がった逸材も、4強進出がかかる大一番に「まさか自分が先発とは思わなかった」と動揺した。それでも、先輩の激励などで奮起。130キロ台後半ながら切れのある直球をテンポ良く投げた。走者を背負えば「後ろには良い投手がたくさんいる。いけるところまでいこう」と開き直り、7回途中まで2失点と粘った。1点差に迫られた9回には、10日にNTT東日本を完封したばかりのエース井口が登板、貫禄のパーフェクト締めだ。

 西武の黄金時代を築いた辻発彦(中日守備走塁コーチ)ら、これまで36人ものプロ野球選手を輩出してきた名門だが、昨年は12年続いた都市対抗出場を逃した。一からの出直しを誓って臨む今大会。初戦、2戦目と連続完封に導いた女房役の酒井は「全員が同じ方向を向いて臨めている。僕自身も試合前の分析など取り組み方が変わった」と手応えをつかんでいる。

 16年ぶりの優勝へ、13日の準決勝は同じ南関東地区のJFE東日本と対決。今夏都市対抗予選の前哨戦となる一番に指揮官は「全力でいく」と力を込めた。名門復活ロードに明るい光が差し込んでいる。

 ◆渡辺 圭(わたなべ・けい)1991年(平3)7月15日、山梨県生まれの22歳。東海大甲府から東海大に進み、リーグ通算34試合17勝1敗、防御率1・40をマーク。3年秋には関東地区大学選手権で創価大・小川(現ヤクルト)に投げ勝った。1メートル71、69キロ。左投げ左打ち。

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2014年3月13日のニュース