三菱自動車岡崎・仲井 強豪・東芝を4安打完封料理

[ 2014年3月11日 05:30 ]

<東芝・三菱自動車岡崎>完封勝利の三菱自動車岡崎・仲井

全国社会人野球 第69回東京スポニチ大会予選リーグCブロック 三菱自動車岡崎3―0東芝

(3月10日 横浜)
 社会人野球の幕開けとなるスポニチ大会が10日に開幕し、3会場で予選リーグ戦8試合が行われた。横浜では三菱自動車岡崎の2年目右腕・仲井洋平投手(24)が東芝相手に4安打6奪三振で完封勝利をマーク。岩槻では今季からセガサミーの指揮を執る元ロッテの初芝清監督(47)が初陣に臨んだが新日鉄住金かずさマジックに3―5で敗れた。11日もリーグ戦8試合が行われる。

 強豪・東芝を4安打に抑えたというのに、仲井は表情ひとつ変えることなく完封勝利を振り返った。「普段からピンチの場面が多いので、ピンチでも自分のボールを投げられた」。最速143キロの直球は、この日は130キロ台前半がほとんど。しかし、スライダーとフォークを効果的に駆使し、相手に的を絞らせなかった。「力を抜いて、打たれるまでは楽にいこう」。最大の危機は0―0で迎えた6回1死一、三塁。そこでも冷静にコーナーを突いて後続を一飛、遊ゴロに打ち取った。

 「表舞台」とは無縁だった。高校時代は愛知県有数の進学校、時習館でエースを務めたが、3年夏の愛知大会4回戦が最高。早慶戦に憧れ「慶応で野球がやりたい」と猛勉強し、1浪の末に慶大野球部の門を叩いた。

 だが、1年間のブランクの影響もあり入学後に腰を痛めた。3年からはリーグ戦で登板したが未勝利。卒業後を見据え、総合商社などに就職する道を考えた。そんなとき、座喜味(ざきみ)大河監督の誘いがあった。社会人でも野球を継続。1年目の昨季、ウエートトレーニングで体重を5キロ増やしたことで下半身が安定し、頭角を現した。

 座喜味監督は「堂々と投げるようになってきた。マウンドさばきもいい」と絶賛するが、無名の右腕は「出来過ぎです」と照れた。指揮官への恩返しは、始まったばかりだ。

 ◆仲井 洋平(なかい・ようへい)1989年(平元)12月25日、愛知県生まれの24歳。小学3年で「向山ビクトリー」で野球を始め、中学は豊橋市立中部中の軟式野球部に所属。時習館では甲子園出場なし。慶大を経て昨年、三菱自動車岡崎に入社。1メートル84、80キロ。右投げ右打ち。

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2014年3月11日のニュース