大谷&中田 新ON砲初アベック弾 王&長嶋に続け!

[ 2014年3月5日 07:14 ]

<日・巨>初回2死、ソロ本塁打を放つ大谷

オープン戦 日本ハム10―4巨人

(3月4日 札幌D)
 ついに出た。日本ハムは4日、札幌ドームでの今季初試合で巨人と対戦。「二刀流」2年目の大谷翔平投手(19)が初回に左中間へ、5回には中田翔内野手(24)が左越え本塁打。ともに初球を仕留めての一発で、初の「ON」アベック弾となった。王、長嶋のON砲から、時代を超え、大谷、中田の新ON砲が日本球界をもり立てる。

 だから、「二刀流」を続ける。初回。大谷は、宮国の初球を見逃さなかった。144キロの直球を芯で捉えた打球は、左中間席に飛び込んだ。

 「構え遅れないよう心掛けて(初球を)狙っていた。左中間にしっかり打てたのは凄くいい。方向性は間違っていない」

 オープン戦初打席初本塁打。4回には宮国の直球を逆に豪快に引っ張って右翼線二塁打とした。

 今年は1月23日にキャンプ地の沖縄・名護に先乗り。初日から130メートル級の弾丸ライナーを連発し、「飛距離は昨年より伸びた」と自身も実感していた。オフには広背筋を大きくするための筋力トレーニングを取り入れ、体重は入団時の86キロから92キロに、胸囲は98センチから106センチにサイズアップ。さらにキャンプ中のフリー打撃では「スイング力がつく」と980グラムの重量マスコットバットを使い続けた。

 不慣れなはずの左翼守備でも魅せた。先発投手としての調整に重点を置く2年目。キャンプで初めて外野守備の練習をしたのは2月26日で、それも右翼。昨季は野手として77試合に出場したが、左翼での出場は5試合しかなかった。実戦で守備に就くのもこの日が初めてだった。それでも3回2死で美技を披露。村田の打球がフェンスに跳ね返ったところをすぐ捕球し、二塁へワンバウンドで送球してアウトにした。「しっかりといい方向で(捕球体勢に)入りながら投げられた」と胸を張った。

 5回に中田が一発を放ち、2人にとって初のアベック弾。かつて栗山監督はこう話した。「日本国民が熱狂したあの時代をもう一度つくれるのは、この2人なのかもしれない」。プロ野球で昭和の隆盛を築き上げた王と長嶋。5歳の年齢差も、「O」が左打者で「N」が右打者なのも同じ。野手としてあらためて高い潜在能力を示した大谷は「僕は使ってもらっている立場。その時にしっかりと結果を出すことが大事」と、もう大人の顔だった。

 ≪元祖は勝率・845≫日本ハムの大谷が初回、中田が5回に本塁打。大谷と中田が同じ試合で本塁打を打ったのはオープン戦、公式戦を通じ初めてとなった。元祖「ON砲」の巨人・王貞治と長嶋茂雄は、公式戦で59年6月25日の阪神との天覧試合を皮切りにアベック本塁打を歴代最多の106度マーク。2人が打った106試合の巨人の勝敗は87勝16敗3分け、・845と高い勝率を誇った。

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