来日初マルチの楽天ユーキリス 大好きスタバ“空振り”悔しさぶつけた?

[ 2014年2月28日 05:30 ]

<楽・ロ>4回1死、左前打を放ったユーキリス

練習試合 楽天1―13ロッテ

(2月27日 清武)
 メジャー通算150本塁打を誇る楽天の新外国人ケビン・ユーキリス内野手(34)が27日、ロッテとの練習試合(清武)に「5番・一塁」で出場。3度目の実戦で相手エース成瀬善久投手(28)から2回に来日初安打となる中前打を放つと、2安打で来日初マルチもマークした。

 投手方向に向けられたバット。マウンドにはロッテのエース成瀬がいた。フルカウントまでの5球。ユーキリスは一度もバットを振らない。まるで、獲物を探すように。

 「何を打つのか分からず、不気味な感じがした」。成瀬はそう振り返る。自慢の丸刈りはヘルメットで隠れているが、トレードマークのひげも迫力満点。相手エースを恐怖に陥れ、6球目だった。高めに甘く入った直球。ユーキリスは独特の構えから左足を大きく投手方向に踏み出し、フルスイングした。強烈なライナーが中前で弾んだ。

 「まだまだ練習試合だけど、ヒットが出たことは良かった。自分が塁に出ればチームのチャンスも増えることになる」。2回、先頭として来日初の快音。4回の第2打席でも古谷から左前打を放ち、いずれも左腕から打った。メジャー時代、対左投手は通算打率・291で、対右の同・277よりもアベレージを残した。左キラーの本領を発揮し、実戦3試合目でメジャー通算150本塁打の片りんを見せた。

 「異国の文化を学ぶことは自分の人生にとってもプラスになる」。チーム宿舎では連日、ジョーンズらと野球談議を交わす。前日も2時間以上話し込み、日本野球について熱心に質問する姿があった。だから、大リーグとは対照的に外角が狭く、内角が広い日本のストライクゾーンにも「気にしていない」と慣れた様子だ。日本語を学ぶことについても積極的。最近になって覚えた日本語はエレベーターのアナウンスである「ドアガシマリマス」。一番のお気に入りは「オサキデス」だ。

 スターバックスのコーヒーをこよなく愛する助っ人。キャンプ地の沖縄・久米島にはなかったが、前日、練習試合を行う宮崎市内のチーム宿舎の近くに店舗を発見した。午前6時に起床して店舗に向かったが、開店は午前8時だった。「カリフォルニアの自宅近くのスタバは朝の4時半から開いているのに」。8時は出発時間。飲めなかった。その悔しさもバットに込め、2安打を放った。「一つ一つの打席を内容あるものにしたい。開幕までケガなく乗り切ることも大事」

 メジャー通算1053安打の大物助っ人が調子を上げてきた。

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