呉昇桓 出た155キロ!“石直球”加速、圧巻1回無失点

[ 2014年2月26日 06:01 ]

<神・LG>9回に登板し力投する呉昇桓

練習試合 阪神3―6韓国・LG

(2月25日 宜野座)
 阪神は25日に韓国LGツインズとの練習試合があり、新しい抑え役として期待される呉昇桓投手(31=サムスン)が球場表示で最速155キロを計測した。20日の紅白戦に続く今春2度目の実戦登板は初の対外試合。1回無失点、2者連続三振を記録するなど空振りを奪う自慢の直球に磨きがかかってきた。阪神の沖縄宜野座キャンプは26日に打ち上げる。

 3人目の打者へ投げた2球目、空振りを奪った直球が球場表示で最速155キロだった。同じ1球がテレビ中継では152キロ、球団スコアラーの計測では149キロ。4人目に対する初球も球場表示で155キロが出た。

 計11球中、変化球はスライダーの1球だけ。残り10球はすべて直球で、中継画面では7球が150キロ台だった。今春キャンプ2度目にして最後の実戦で呉昇桓は明らかにいままでと次元の違う力を込めた。

 機械ごとに差の出る数字はあくまで目安でしかない。打者の反応が威力を物語る。高めの直球で4度の空振りを奪い、低めの直球で見逃しも取った。打者側に予測されても打たれない“石直球”の真価を見せた。

 「直球で空振りを取れたことはよかった。150キロ中盤が出ていたということだが、個人的には気にしていない。高めの球でバットを空振りさせられたので、いいバランスでいい球を投げられていると思う」

 日韓の審判混合で裁かれた練習試合。投手に合わせて球審が交代する形式で試合を進めながら呉昇桓の登板時に限り韓国人審判が球審に就いた。件の二段モーション問題に関して試合後に李基中審判員が「彼がプロデビューした1年目の冬にMLBへ映像を送ったところ“問題ない”と回答を得た。一連の流れの中の動作だ。日本で問題になっていることに驚いている」と見解を示した。日本の審判団から問い合わせがあることも明かして「同じように答えた」と説明を加えた。

 球団の働きかけによる側面援護ながら、本人にすれば雑音程度かもしれない。今春2度の実戦登板はいずれも先頭打者を塁に出した。そもそもクイックで投げるセットポジションは二段モーション問題の“圏外”で、走者を背負った投球でも球速や球威に減少がないことを実証した。

 「きょうの出来はまあまあだったけど、コントロールにもっと気を使って投げたい。抑えは1球のコントロールミスで試合を落とすことがある。コントロールには気を使っている。キャンプでは球を投げる体を作った。オープン戦では打者との勝負に集中していく」

 来月4日からの福岡遠征に帯同し、ソフトバンク戦でオープン戦初登板を予定。李大浩との再会も注目だ。「3月28日へ向けて焦らずに調整していきたい」。いまの状態を問われ、「200%」と答えた。会話に軽口と笑顔が混ざるのは環境にも慣れてきたからだ。まだ底を見せない全開への階段は一段上がった。

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2014年2月26日のニュース