楽天2年目左腕 恐怖インステップ投法 最速129キロで2回3K

[ 2014年2月10日 06:04 ]

紅白戦で2回を投げ無失点と好投した大塚

楽天紅白戦 白組5―2紅組

(2月9日 久米島)
 鋭角的に投げ込まれた外角直球。4回、左打者の枡田がバットを振れずに見逃し三振を喫した。「凄く外角が遠く感じた」。日本一球団・楽天のレギュラーを驚かせた左腕は、先発ローテーション投手の辛島でもなければ、ドラフト1位の松井裕(桐光学園)でもない。2年目の19歳、大塚だった。

 「ボールを低めに集めてコースを突くことがテーマだった。追い込んでから際どいコースに投げることができました」。白組の2番手で3回から登板。サイド気味のスリークオーターから切れのある直球を投げ込み、2イニングを完全投球。奪った3三振は全て見逃しだ。自身最速は143キロだが、この日は129キロだった。なぜ、速くない直球に打者は手が出ないのか。その秘密は、捕手方向に踏み出す右足にあった。

 軸足の左足の位置に対し、右足は一塁側に1足分インステップしていた。そこからクロスファイアで投げ込んでくる。左打者は背中から球が来ることになり、右打者への内角球もより鋭角的な角度になる。「自分の球でどうやって打ち取るか、工夫して投げている」と星野監督。球を受けた正捕手の嶋も「右肩が開かず腕も遅れる。打者は打ちにくい」と評した。

 上半身をよりねじる「インステップ投法」は、筋力の強い外国人投手に見られる。大塚は2軍で中継ぎとして25試合に登板した昨季途中、インステップの幅が4足分まで広がったため、酒井2軍投手コーチから「故障するぞ」と注意を受けた。1メートル75と小柄で筋力も弱いためだ。それでも故障しない。星トレーナーは「肩の可動域が広く、肩甲骨の出し入れの柔らかさもあるから」と説明する。「1軍で投げられるなら中継ぎでも何でもやります」と大塚。エース田中がチームを去り、先発候補はいくらでも欲しい。中継ぎとは言わず、先発に名乗りを上げてもいいのでは。

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