マー君 自腹2000万円!日本人選手初のチャーター機渡米

[ 2014年2月10日 05:32 ]

まい夫人(右奥)と共にチャーター機で米国へ出発する田中

 楽天からヤンキースへの移籍が決まった田中将大投手(25)が9日、成田空港からニューヨークへ出発した。関東地方を襲った歴史的な大雪の影響を受け、都内から空港まで車で8時間半かけてのドタバタ移動。定期便のニューヨーク行きが欠航になる中、コンディション面を考慮して準備していたチャーター機で飛び立った。田中は11日午後(日本時間12日未明)にヤンキースタジアムで行われる入団会見に臨む。

 「ヤンキース・田中」として決意の旅立ち。しかし、その前に試練の大移動が待っていた。前日からの記録的な大雪の影響で成田空港へアクセスする鉄道などは全て運休。午前6時に都内のホテルを車で出たが、高速道路は通行止めで、一般道をひたすら進んだ。その一般道も大渋滞。空港に到着したのは午後2時半ごろだった。

 当初、午前9時に行う予定だった出発会見が始まったのは、午後4時すぎ。田中の第一声は「そりゃ、疲れましたよ」。まい夫人とともに、車中では睡眠を取るなどして過ごしていたといい「思っていたより交通状況が悪かった。着くのかなって思ってばかりいた。時間がかなりかかったけど、なんとか無事に着いてよかった」と安どの表情を浮かべた。

 田中にとって、雪中行軍は2年連続だ。昨年1月にも「自主トレで静岡から千葉に行く時に(雪の影響で)横浜から千葉まで10時間かかった。思い出しましたね」。昨季は24勝無敗の成績を残し、楽天を球団創設9年目で初のリーグ優勝、日本一に導いた。吉兆ともいえる「雪」だが「そこはつなげなくていいですよ」と笑った。

 成田空港までの移動はドタバタだったが、その先は優雅に移動した。今回はチャーター機を自ら手配。日本人選手が渡米の際にチャーター機を利用するのは初めてで、ゴルフやサッカーなど他競技を含めても日本のアスリートでは前例がない。愛犬ハルも連れていくことに加え、サポート役を務める佐藤芳記氏(36)は「渡米がこの時期になったこともあり、コンディションを優先しようということで、準備した」と説明。ヤ軍からも体調面に配慮するようにとの通達があったという。

 使用された日本航空のチャーター機はボーイング787型機。費用について、日本航空の関係者は「それは言えません」としたが、片道で2000万円程度とみられる。ニューヨークへの定期便は欠航が相次いだだけに、チャーター機渡米という危機管理が奏功した。

 11日にヤンキースタジアムで入団会見を行い、そのままキャンプ地のフロリダ州タンパへ移動。15日(日本時間16日)からのバッテリー組キャンプに臨む。「日本にずっといたからあまりそう感じなかったけど、楽しみですね」。ようやく心に湧いてきたわくわく感を口にし、田中は白銀の日本にしばしの別れを告げた。

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