広島オーナー 巨人「ありがとう」 “人的補償”一岡2回5K 

[ 2014年2月10日 06:42 ]

紅白戦で好投する一岡

広島紅白戦 紅組4―9白組

(2月9日 天福)
 日南キャンプ視察中の広島・松田オーナーは、してやったりの笑みだった。「巨人が悔しがってくれたらいいんだけどな。桃井さん(巨人球団社長)に“ありがとう”と言わなきゃならん」。

 躍動したのは、FA移籍した大竹の人的補償として新加入した一岡だ。今キャンプ初実施の紅白戦に紅組3番手として5回から登板。最速145キロの直球を軸に、2回無安打無失点、5奪三振という快投を演じた。

 いきなり昨季大ブレークの「キク・マル」コンビと対戦し、まず菊池をフォークで空振り三振。丸も外角直球で見逃し三振に斬った。続くエルドレッドも見逃し三振に封じ、主力級を相手に3者連続奪三振。6回は味方失策で無死二塁の局面を迎えたが、2三振を積み重ねて後続を断った。

 「この時期なので、三振がどうとかは、あまり考えませんが、きょうに関しては狙って三振やファウルが取れた。そこは良かったと思います」

 表情にあどけなさの残る23歳の性格は、穏やかな口ぶりとは対照的な負けず嫌い。「大瀬良とか本当にいい投手がいる。自分もカープ1年目で初心は忘れていませんが、プロでは3年目。ルーキーと同じではダメ」と競争心を隠さない。菊池へのフィニッシュに使った高速フォークは、現役時代に最優秀救援投手2度を誇った“使い手”だった巨人・豊田清2軍投手コーチから教わったもの。こうした過去2年の財産が支えだ。

 「カープの戦力になりたい」と言葉に力を込めた移籍右腕に、野村監督は「三振を狙って取っていたんじゃないか。素晴らしい投球」と最高級の評価をした。巨人から獲得可能だった選手の中から、球団が見定めた将来性。花開くのは、今季かもしれない。

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2014年2月10日のニュース