沢村 右肩異常で2軍降格 関節外れるルーズショルダーだった

[ 2014年2月4日 05:50 ]

離脱した沢村は肩を落として他の投手がトレーニングをこなすのを見る

 巨人・沢村拓一投手(25)がルーズショルダー(非外傷性肩関節不安定症)で2軍に降格した。

 「肩のコンディションが万全ではない。正直に原監督やコーチ、トレーナーさんに言わせてもらいました」。沢村は1軍全体練習でのアップ後に予定されていたキャッチボールを回避し、ポール間ダッシュや体幹強化の別メニューを消化した。

 原因はルーズショルダー。「今年に入ってからもずっとそうでした」と慢性的な症状であることを明かした。川口投手総合コーチも「もともと肩が緩い」と指摘。制球難だった1日のブルペンについても、沢村自身「そこ(右肩)しか原因はない」とした。ルーズショルダーは肩関節の可動域の広い人がなりやすいとされる。投手にとって肩関節の柔らかい方が、腕を大きく弓のようにしならせることができるため、球速は出る。一方で、亜脱臼や脱臼が習慣化して関節が外れやすくなる側面を持つ。

 過去のプロ球界でも伊藤智仁(現ヤクルト1軍投手コーチ)、沢村賞を2度獲得した元ソフトバンクの斉藤和巳、楽天時代の岩隈(マリナーズ)らも悩まされてきた。

 沢村は昨年まで3年間で90試合に登板。昨季終盤には中継ぎに配置転換となり、今季は先発ローテーション復帰を目指していた右腕は「そんなに重症ではないと思う。治り次第すぐに戻ってきたい」とする一方で、「それ(メド)が立てばこういう言い方はしていない」と苦しさもにじませた。当面はノースロー調整を続けるが、回復を含めた今後については極めて不透明と言わざるを得ない。

 ▽ルーズショルダー 肩甲骨と上腕をつなぐ腱板の機能が低下している場合が多い。腱板は肩関節に一番近い筋肉であるが、この筋肉が衰えると、肩関節が緩くなる。治療方法には関節の近くにある筋肉「インナーマッスル」を鍛える運動療法がある。しかし、回復が見られなければ手術の必要性も生じる。手術は熱で緩んだ関節を収縮させる方法や緩んだ部分を切断し、縮める手法などがある。

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2014年2月4日のニュース