マー君 ヤンキース世界一に!「挑戦ではない。戦力になる」

[ 2014年1月24日 05:30 ]

笑顔を見せながら会見する田中

 新ポスティング・システムを利用して大リーグ移籍を目指していた楽天・田中将大投手(25)が23日、ヤンキースと7年契約で合意したことを発表した。日本人選手の最高額となる総額1億5500万ドル(約161億2000万円)で契約した田中は、宮城県仙台市のコボスタ宮城で会見。目標に世界一を掲げ、名門球団を09年以来のワールドシリーズ制覇に導くことを宣言した。

 ヤンキースの代名詞ピンストライプをほうふつさせた。田中のいでたちは、紺地に白のストライプが入ったスーツ姿。「言われるだろうと思って着てくるのをやめようかと思ったんですけど…」。でもやめなかった。総額161億円の巨額契約。それに見合う活躍をする責任がある、と問われると「背負えるものは背負います。背負ってつぶれてしまうようなことだけはしたくない。目標は世界一です」と言い切った。

 これまでは駒大苫小牧、楽天と実績の少ないチームで先頭に立つ役割を担ってきたが、ヤンキースは押しも押されもせぬ名門で当然のように優勝を期待される重圧にもさらされることになる。それでも「今までと違った気持ちというか、違ったものを感じながらプレーできるんじゃないかと思う」と声を弾ませた。

 すべては3文字に凝縮されていた。個人的な目標を問われても「世界一です」。目標の数字への質問にも「世界一です」。わずか1時間で計3度、「世界一」を口にした。「いろんな話を聞きました。ダルビッシュさんには球団の特徴を聞きました」。楽天・斎藤隆や、レンジャーズ・ダルビッシュの助言も受けたが、決断は田中自身の野球への思いそのものだった。あくまでチームの勝利のため。10球団以上との交渉の末、勝利を最も意識させる名門にたどり着いたのは必然だった。

 今回の移籍を、田中は「挑戦ではない」と位置づけた。

 「(楽しみなのは)ヤンキースタジアムのマウンドに立つこと。ただ行っただけではおもしろくないし、そんな気もない。向こうで世界一をつかみ取るための戦力になるために行く」

 この冬、仙台に初めて積もった雪でも消すことができない熱い決意だった。

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2014年1月24日のニュース