片岡さん覚悟!阪神・榎田 一塁足止め宣言 世界一上原をお手本に

[ 2014年1月12日 05:30 ]

東京ガスの先輩・片岡(右)と握手を交わす榎田

 阪神の榎田大樹投手(27)が11日、都内にある社会人野球・東京ガスの大森グラウンドで自主トレを公開した。昨季巨人戦で3勝を挙げ、宿敵と東京ドームでぶつかる開幕3連戦での今季初登板が有力な左腕は、東京ガスの先輩でもある盗塁王4度獲得の片岡を警戒。同所で自主トレをするレッドソックス・上原の「間(ま)」を参考に、新戦力を一塁に“くぎ付け”にすることを宣言した。

 たとえ出塁を許しても、魔法をかけたように一塁で動きを止めるだけだ。榎田が“片岡固め”を固く、誓った。

 「(片岡の足は)気にしないといけない部分。意識はします。ホームに還られなければ点にはならない。そういう(一塁にくぎ付けにする)ことを意識して投げられたら」

 西武からFA宣言して巨人に移籍した片岡は古巣・東京ガスの先輩で自主トレ拠点も同じとあって、この日もあいさつを交わした。同一リーグで対戦が増える中、注意しなければいけないのが07年から4年連続で盗塁王に輝いた走力だ。昨年まで、6打数3安打と苦手としている相手とあって、俊足を駆使して進塁も許すとなれば、一気にピンチは拡大。一塁にくぎ付けにしておくことが強力打線を封じるカギとなる。

 最高のお手本が同所で汗を流しているレッドソックス・上原だ。記憶に新しいのが昨年のワールドシリーズ第4戦。2点リードの9回2死一塁の場面で、セットポジションに入りかけた右腕は素早く体を反転させ、俊足の一塁走者をけん制で刺して試合を終わらせた。

 大リーグのポストシーズン史上初の“神業”を、榎田もテレビで目の当たりにした。「自信を持っている部分」とけん制を得意としている左腕が、参考にすべく口にしたのは「間」だった。

 「(重要なのは)間だと思う。(上原を参考に)間をしっかりとって、ランナーの動きを止めていければ。嫌なランナーだと思うので」

 けん制は、あくまで布石。セットポジションから投球までの時間に長短の差を出すなど、1球ごとに間合いを制し、走者がスタートするタイミングをつぶす。片岡に“にらみ”を利かせて動きを止めていく。

 開幕ローテーション入りの可能性が高く、昨年は3勝をマークした“Gキラー”だけに巨人との開幕カード(3月28~30日)での登板が濃厚。「そこで投げさせてもらえるようにアピールできたら」と意気込む。

 「西武の時はよく打たれていたので“打たないでください”と冗談は言いました。しっかり一人、一人抑えていって、その中で片岡さんも抑えていけたら」。宿敵のスピードスターの持ち味を消し、チームの開幕ダッシュをアシストする。

 ≪盗塁させない男≫13年、榎田(神)が登板時に企図された盗塁はわずか5度。このうち3度、捕手が刺しており盗塁阻止率は6割と高かった。企図数を同じ先発陣と比較すると、藤浪17、スタンリッジ15、メッセンジャー13、能見7で、登板数の差はあるが榎田が最少。榎田が救援専門だった11、12年の合計でも企図数12に対し5度の盗塁刺があり、阻止率・417。走者に盗塁をさせず、仮に走られても刺す可能性は高い。

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