マー君交渉本格化 楽天がMLB警告に回答「順守する」

[ 2014年1月7日 05:30 ]

楽天・田中将大

 マー君のメジャー交渉が本格化する。楽天・立花陽三球団社長(42)は6日、新ポスティング・システムによるメジャー移籍を目指す田中将大投手(25)に関し、大リーグ機構(MLB)から届いた警告書に回答したことを明かした。移籍球団から得る年俸の一部を球団に寄付するのは協定違反にあたるとの指摘に対し、楽天は協定順守を確約。寄付問題の終息を受け、田中の本格交渉の幕が切って落とされる。

 MLBからの警告書が届いてから年をまたいで8日目。立花社長は警告書に対する回答を日本野球機構(NPB)へ行ったことを明かした。

 「我々が言えるのはアグリーメント(協定)、同意書に書いてある文言を順守するということだけです。それ以上のことは何も言えません」

 協定の順守。それは田中の寄付プランが完全に白紙に戻ったことを意味している。今回の寄付金問題の発端は、12月25日の会見で立花社長が田中から「できる限りの協力や寄付をしたい」との申し出があったと発表したことにさかのぼる。日米間選手契約に関する協定では、不正を避けるため、譲渡金以外の金銭や有価物が日本の球団に提供されることを禁じている。立花社長の発言を受け、MLBのロブ・マンフレッド最高執行責任者は「日本の球団に譲渡金以外の利益が流れるのは、間接的、直接的にかかわらず、協定違反になる」と指摘。楽天に警告書を送り、文書での回答を求めた。

 田中の寄付は宮城県へのものを前提としているが、同県の所有である本拠地球場の改修やドーム球場建設などに費用が充てられた場合、楽天への間接的な利益にあたると判断された。立花社長は田中が寄付する相手について「全ては田中がする問題なので僕に聞かれても」と話し、続けて「僕のお金でも球団のお金でもない。田中のお金の話を僕が何か言うのはおかしい。話が複雑になっている」と強調した。

 「彼が“(メジャーに)行こう”と決断した以上は、右だ、左だ、と言うつもりもないし、僕らはちゃんと規則通りのことしかやらない」。立花社長は、あらためて強く訴えたが、楽天の回答をMLBがどう判断するか。回答は「協定を順守する」旨だけが記されており、MLBが不十分として、さらなる説明と確約を求める可能性もある。ただ、協定の順守を確約したことで、田中のメジャー交渉に支障を来すような事態は、避けられる見通しとなった。代理人のケーシー・クロース氏(50)も休暇明けの6日(日本時間7日)から交渉を本格化させる。いよいよ、メジャーで田中争奪戦の本当のゴングが鳴る。

 【マー君寄付問題の経過】

 ☆昨年12月25日 メジャー移籍容認を表明した会見で立花球団社長が、田中に寄付の意思があることを明かす。球場や選手の環境整備などのため「できる限りの協力や寄付をしたい」とするコメントが読み上げられた。

 ☆同28日 大リーグ機構のロブ・マンフレッド最高執行責任者が「日本の球団に譲渡金以外の利益が流れるのは直接的、間接的にかかわらず規定違反になる」と発言。

 ☆同29日 MLBからNPBを通じ楽天に協定順守を求める警告書がメールで届く。英文での早急な返答が求められる。

 ☆同30日 楽天が「内容は確認中ですが、ルールに反するつもりはない」との見解を表明。

 ☆1月6日 立花球団社長が、回答をNPBに送付したことを発表。協定順守を確約した。 (日付は日本時間)

続きを表示

2014年1月7日のニュース