阪神ドラ1岩貞 恩返し誓う 母校・必由館Gに照明設備を

[ 2014年1月4日 05:30 ]

高校時代に繰り返した縄跳びトレーニングをする岩貞

 壮大な夢プランを新年早々ぶち上げた! 阪神のドラフト1位・岩貞祐太投手(22=横浜商大)が3日、熊本市内にある母校・必由館野球部グラウンドで自主トレを公開した。キャッチボールやランニングで軽めの調整を行った左腕。将来、稼ぎ頭となったあかつきには、高校3年間を過ごした練習場を改修し、環境が整った「岩貞スタジアム」を後輩にプレゼントする計画を披露した。

 その頭には未来予想図がくっきりと描かれている。「必由館はまだ1回(第85回選手権)しか甲子園に行ったことがないし、この球場に育ててもらった。後輩の役に立つことがしたいですね」

 雨が降れば20キロにも膨れあがる丸太を担いで延々外野を走ったこともある。体中に負担がかかる太いロープで縄跳びし続けたこともある。今となってはそれらの鍛錬が岩貞の基礎になっているが、グラウンドの環境自体は決して恵まれているとは言い切れない。

 「ここに来るとしんどかった時期を思い出す」

 現状では一塁ベンチ上と三塁ベンチ上の2基しか照明灯がない。ダッグアウトも長椅子が数台並ぶだけ。十分な数とは言えない防球ネットやフェンス。室内練習場もない。これらすべてを整備するのは、相当な費用が必要だ。そのためにも、プロで一日も早く活躍して資金を援助できる選手になるしかない。
 
 そんな教え子の練習見学に来た西田尚巳監督(48)は「夢プラン」を聞くと、ニヤリと笑って言った。

 「嬉しいです。でも練習量が増えるだろうから、後輩たちは嫌がるね」

 以前は別団体の所有地だった施設を数年前に市が買い取り、必由館の専用球場となった。こうなれば岩貞の考え一つでガラリと仕様を変えてしまうことも可能だ。外野に何本もの照明灯を立て、ナイター練習をできるようにし、高いフェンスで球場を囲えば周囲を気にせず打ち込める。きっと甲子園だって近くなる。自然と闘争心も湧き上がってくる。

 「1月中に野球ができる体にして、2月からは本格的にやっていきます。開幕1軍が最大目標。1軍という舞台で投げなければ、結果としてついてこないので」

 年末年始は家族で団らんし、実家近くの藤崎宮で初詣も済ませた。それでも練習だけは欠かさない。「元日は長距離を走りました」。この自制心があれば大丈夫。「能見2世」の期待を一身に背負う22歳。「岩貞スタジアム」実現へ向け、まず大きな一歩を踏み出した。

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