「あなたが選ぶ阪神10大ニュース」1位は藤浪!黄金ルーキーに光見た

[ 2013年12月29日 21:04 ]

「あなたが選ぶ阪神10大ニュース」1位となったのは藤浪の活躍

 2013年の主役はやはり黄金右腕だった。スポニチ公式サイト「スポニチアネックス」で募集した「あなたが選ぶ阪神10大ニュース」で1位となったのは、高卒ルーキーながら10勝を挙げるなどした藤浪の活躍だった。2位には、今季限りで猛虎一筋22年の野球人生に幕を閉じた桧山の引退だった。

 ≪1位 488票 黄金ルーキーの看板に偽りなし。藤浪10勝≫多くの話題があった中で、スポニチ読者が選んだのは光あるものだった。チームのV逸、神様・桧山の引退を大きく引き離し堂々の1位となったのは、黄金右腕・藤浪の活躍。猛虎の新たな顔として認められたということだろう。

 4球団競合の末に和田監督が神の左手で引き当てたドラフト1位右腕の実力は本物だった。ドラフト制以後の高卒新人として最速先発となる開幕3戦目のヤクルト戦でデビュー。黒星スタートとなったものの4月14日のDeNA戦で初勝利を挙げると同月は3勝をマークした。

 5月に一度だけ離脱したものの、先発ローテーションを最後まで守った。24試合に登板しセ・リーグ5球団すべてから勝ち星を挙げるなど10勝6敗、防御率2・75。高卒新人での2桁勝利はセ・リーグでは1967年江夏(阪神)以来、46年ぶりの快挙。4勝した8月にはリーグ月間MVP。高卒新人での受賞は87年8月の近藤(中日)以来、2人目の偉業だった。

 それでも、完投勝利が一度もなく「野手や救援陣のおかげで勝たせてもらった10勝」と話すなど藤浪に満足感はなかった。2年目のジンクスとも戦う来季。阪神、そして球界のエースとなるべき男が、マウンドでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がない。

 ≪2位 415票 猛虎一筋の桧山が現役引退。ラスト打席で神がかりアーチ≫藤浪に首位の座こそ明け渡したものの今季限りで現役引退した「神様」桧山の存在感が薄れることは最後までなかった。猛虎一筋22年は球団在籍最長記録だった。暗黒時代には4番を打ち、2度のリーグ優勝にも大きく貢献した。晩年は「代打の神様」として通算安打、通算打点など球団の代打記録を次々と塗り替えた。

 広島とのCSファーストS第2戦(甲子園)では、自身の最後となる打席で虎党で埋め尽くされたライトスタンドにポストシーズン史上最年長アーチとなる代打2ランを叩き込んだ。「あまりにもいい打ち方ができすぎて、自分でもびっくりした。ボクにも野球の神様がいてくれるのかな」のフレーズはあまりにも印象的だった。記録にも記憶にも残る背番号24がユニホームを脱いだ。

 ≪3位 337票 2位躍進も打倒巨人を果たせず。CSも広島に敗退≫ファンにとっても評価しづらいものだった感じがする。一時は首位に立つなど昨季5位から2位に躍進したものの、打倒巨人を果たすことはできなかった。5差に迫り、逆転優勝へ望みをつなぐはずの8月27日からの東京ドーム3連戦で、まさかの3連敗を喫し大失速。坂井信也オーナーの「Bクラスで終わった気持ち」が辛いシーズンを物語っていた。

 ≪4位 256票 掛布氏が「DC」として阪神復帰、オマリーも打撃コーチ補佐で≫ 待ちわびた男が帰って来た。4番打者として85年日本一に貢献した「ミスタータイガース」掛布雅之氏がGM付育成&打撃コーディネーター(DC)として25年ぶりに阪神復帰。高知・安芸での秋季キャンプでは、伊藤隼、森田ら若手に自らの技術を惜しみなく伝えた。「楽しみな選手が多い」と話しており「掛布チルドレン」が生え抜きのスター選手になる日も近い!?

 ≪5位 192票 西岡躍動、福留不振とV請負人は明暗≫メジャー帰りの両雄は明暗が分かれる結果となった。西岡は主に1番打者として打率・290、57得点。得点時の決めポーズ「グラティ」導入にもかかわるなどチームを変革した。一方の福留は4月19日のヤクルト戦でサヨナラ満塁弾を放つなどしたものの左膝手術などもあって打率・198、6本塁打、31打点と期待を大きく裏切った。来季の変身に期待だ。

 ≪6位 142票 助っ人コンラッドは“空振り”≫悲しいほどに期待を裏切られた。中村GMが「短期間で獲得を決めた」と話すほどに惚(ほ)れた両打ちの好打者・コンラッドはオープン戦こそ結果を残したもののシーズンに入ってからはさっぱり。球団の助っ人では史上初となる打点なしに終わり退団した。近年の助っ人はマートンやメッセンジャーなど“当たり”が続いていただけに、なおさらクローズアップされた。

 ≪7位 132票 2年目の松田がデビューから17試合連続無失点で侍ジャパン入り≫多くのファンが近い将来の守護神を確信した。高卒2年目の松田がデビュー戦となった7月13日DeNA戦から17試合連続無失点のリーグ記録を樹立。直球でグイグイと押す投球は虎党のハートを熱くした。小久保監督率いる侍ジャパンにもチームから唯一、選出され11月の台湾遠征に参加。自己最速を更新する150キロをマークし「遼馬」の名にふさわしい侍魂を見せつけた。

 ≪8位 126票 呉昇桓&ゴメスの来季守護神&4番獲得≫9年ぶりのV奪回へ大きな力が加わった。韓国プロ野球最強守護神の呉昇桓(オスンファン)=写真(上)=と未知の魅力を秘めた強打者・ゴメス=同(下)(AP)=を獲得。今季、固定できなかった抑えと4番候補獲得で確かな光が見えた。呉昇桓の背番号22は藤川球児(カブス)が背負っていたが「新しいイメージが出来ていくのでは」と結果を積み重ねることで自分の背番号にできると豪語。2人の助っ人が鍵を握るのは間違いない。

 ≪9位 121票 4月7日広島戦~12日DeNA戦まで41イニング連続無失点≫勝負どころでは巨人に屈したものの序盤は互角以上の戦いを展開した。原動力となったのがリーグトップの防御率3・07を誇った投手陣だ。4月9日からの甲子園3連戦では、能見の完封勝利を皮切りに第2戦は延長12回0―0。3戦目も完封リレーで勝利し球団史上初となる同一カード3連戦すべて零封。続くDeNA戦でもメッセンジャーが完封勝利を飾り41イニング無失点を記録した。

 ≪10位 115票 鳥谷4番、ゴールデングラブ&ベストナインW受賞≫鳥谷が攻守で存在感を示した1年だった。2年連続フル出場を果たし、球団史上最長となる47試合連続出塁も記録。8月30日の広島戦からは4番にも座った。2年ぶりにゴールデングラブ賞を受賞しベストナインにも選出された。キャプテンとして3年目を迎える来季は「違った形で盛り上げることができるかもしれない」と“イメチェン”を示唆。頼り甲斐(がい)はさらに増しそうだ。

 ≪番外編≫久保流出&中田賢獲得失敗に終わった「FA連敗」は10位に1票差の114票。外国人投手として26年ぶりに開幕投手を務めるなどチームトップの12勝を挙げたメッセンジャーの活躍に101票、マートンの安打王奪回は94票、逃げずに勝負しバレンティンに56、57号を浴びた榎田の投球に90票。「神の左手」が不発に終わったドラフトは37票を集めた。

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