松田遼馬 同郷のライバル・大瀬良に勝ち、新人王獲得だ

[ 2013年12月29日 01:07 ]

<プロ野球長崎県人会スマイル少年野球教室>引退した下柳氏(手前)を胴上げする(右から)松田、大瀬良、元阪神・野原

 阪神の松田遼馬投手(19)が27日、長崎県諫早市で行われたプロ野球長崎県人会主催の「スマイル少年野球教室」に参加。新人王の資格を残す右腕は同郷でライバルとなるであろう広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22=九州共立大)とのタイトル争いへ闘志を燃やした。 

 飛躍を期す松田に、無視できない存在が現れた。大瀬良とは、ともに11月の侍ジャパン台湾遠征メンバーに選出され、日の丸を背負って国際舞台を戦った。選手宿舎では互いに部屋を行き来し、野球談議で交流を深めた仲。この日も同じ長崎県人として野球教室に参加し笑顔で言葉を交わしたが、ライバルチームとして戦うプロの舞台となれば話は別だ。

 「(大瀬良とは)ジャパンでも一緒だったので(シーズン中も)気になるのは気になりますよね」

 学年的には大瀬良が2つ上でも、プロとしては松田が“先輩”となるだけに、一歩も引くつもりはない。先発と中継ぎでポジションは異なるものの、2人が争奪戦を繰り広げるであろうタイトルが「新人王」だ。

 来季3年目を迎える松田は1軍デビューした今季の投球回は29回2/3。ギリギリながら「支配下登録後5年以内で前年まで30イニング以内」という新人王の資格を保持している。「チームの勝利が第一条件ですが(新人王の)資格があるなら狙いたい」。大瀬良も1年目の目標に「新人王」を掲げており、簡単には手にできないことは確実だ。

 阪神選手の新人王は07年の上園(現楽天)以来、出ていない。さらにリリーフ投手の獲得は球団では一人もいないだけに、若き右腕が受賞すれば球団史上初の快挙となる。来季は、新守護神の呉昇桓(オスンファン)につなぐセットアッパー役としての期待が大きい。先発投手の2ケタ勝利に匹敵するほどの活躍となれば、ハードルは高くなるが、年間通して1軍で戦うことができればホールド数や登板数などの数字も付いてくる。

 「長崎県人会」としても下柳、城島が引退した今、「顔」となる存在を求めている。松田、大瀬良のライバル関係が熱を帯びれば地元の盛り上がりもひとしおだろう。

 「ケガなくシーズンをスタートできれば。チームの優勝に貢献できるようにしたい」。標的を定めた遼馬がサクセスロードを突き進む。

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2013年12月29日のニュース