WBC初の全勝V ドミニカ共和国が野球大国になったワケ

[ 2013年12月27日 10:24 ]

アギラスのベンチで(左から)森ヘッド、コーチのカスティーヨ氏と中日のルナ

中日・森ヘッド ドミニカ共和国で選手発掘

 ドミニカ共和国に野球が伝えられたのは1880年代。レベル向上の契機は、1930~40年代にサッチェル・ペイジのような黒人リーグのスターが、オフの稼ぎにとウインターリーグに参加したことだと言われる。

 野球が盛んで才能豊かな「原石」が多い上、貧困層が多いために選手獲得時の金額も格安。地理的にも米本土に近い。80~90年代に大リーグ球団はこぞってアカデミーを建て、コーチやスカウトを派遣した。夏場には各球団の傘下マイナー選手で構成されるサマーリーグを開催。冬場はオフで米国から戻ってくる選手をはじめ、他国の選手も加わるウインターリーグで6球団が50試合戦う。

 今季開幕時、30球団の開幕ロースター全856選手中、約10%の89人がドミニカ共和国出身。出身国別では米国に次ぐ2位だ。マイナーでは全体の4分の1まで比率が上昇。技術的な洗練度はベネズエラなど他国出身選手が上とも言われるが、供給量で圧倒している。

 今年のWBCではカノ(マリナーズ)、ロドニー(レイズからFA)ら大物選手をそろえ、史上初の全勝優勝。チームとしての結束力が前の2大会よりも高く、実力をいかんなく発揮した。

 ▽ドミニカ共和国出身の野球選手 野手で大物を輩出している。現役では今年のワールドシリーズMVPのオルティス(レッドソックス)を筆頭に、10年連続3割、30本塁打、100打点を記録したプホルス(エンゼルス)、通算555本塁打のラミレス(前レンジャーズ3A)ら。引退した選手では通算609本塁打のソーサ(元カブス)らがいる。投手ではサイ・ヤング賞3度のマルティネス(元レッドソックス)ら。日本では、最近はブランコ(DeNA)、オーティズ(元西武)ら、過去にはフランコ(元ロッテ)らがプレーした。

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2013年12月27日のニュース