マー君 Xマス会談 楽天がメジャー容認へ 

[ 2013年12月25日 06:59 ]

ラジオ番組の企画でAKB48の高橋みなみと対談する田中
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 楽天が25日にも田中将大投手(25)と会談を行い、新ポスティング・システムによるメジャー移籍を容認することが24日、分かった。立花陽三球団社長(42)が楽天本社を含めた調整が最終段階に入ったことを認めた。年内に申請手続きを終えれば、来年1月下旬には田中の移籍先が決定する。米国でも今オフの最大の関心事だった田中争奪戦が、いよいよ動きだす。

 小雪がちらつく中、仙台市内の球団事務所の外で取材に応じた立花社長は「球団の方向性は固まったのか」の問いに、はっきりとした口調で答えた。

 「そういうことだと僕は思っている。社内で休みの日も含めてしっかりと議論は重ねている。最後の調整を行っている」

 関係者の話を総合すると、球団としてメジャー移籍を容認することで固まったという。立花社長は「私の希望では、1分、1秒でも早く答えを出したいと思っている」と話しており、クリスマスの25日にも田中と会談を行い、球団方針を伝えることになる。

 日米で新制度が発表されたのは17日。その日の会談で田中からメジャー移籍の希望が伝えられたが、立花社長は来季も必要な戦力として残留要請した上で「彼の要望に対して、しっかり答えを出したい」と結論を持ち越した。そこから社内調整には1週間を要した。

 同社長は「今回はFA制度に近い。権利(保有権)の切り売りになる」と主張するように、新制度は従来の制度とは大きく異なる。譲渡金の上限2000万ドル(約20億6000万円)は過去のケースと比較しても、田中の適正価格とはいえない。また、従来の制度では落札球団が公表されたが、新制度では、公示翌日から選手側はFAと同じように複数球団と自由に移籍交渉ができる。つまり、楽天は交渉している球団名や球団数さえ知り得ない状況になる。球団内では「譲渡金だけもらえばいいと、無責任なことはできない」と新制度に反発する声もあった。

 その一方で並行して、移籍球団とのビジネスモデル構築や業務提携など、「TANAKA」ブランドと楽天の世界戦略をどう結びつけ、譲渡金以上の付加価値を見いだせるかをグループ全体で話し合ってきた。立花社長が「オーナーとは毎日話をしている」と説明したように、最終的な判断は三木谷浩史オーナーに委ねられた。11月下旬に「個人的には若い人が海外挑戦するのはいいと思う」と発言していた同オーナーは、総合的な見地から田中の夢を後押しすることを球団方針として決めたもようだ。

 田中は、昨年12月22日の契約更改交渉で初めて将来的なメジャー挑戦の希望を伝えた。新制度成立までの紆(う)余曲折があったが、それから368日。クリスマス会談でようやく夢が実現する。

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2013年12月25日のニュース