イチロー 2月下旬に移籍ある?各球団が春季キャンプ以降に動くワケ

[ 2013年12月14日 07:03 ]

厳しい状況に立たされているヤンキースのイチロー

 ヤンキース・イチロー外野手(40)のトレード交渉が、暗礁に乗り上げた。ウインターミーティング最終日となった12日(日本時間13日)、ジャイアンツがマイケル・モース外野手(31=オリオールズからFA)の獲得に合意。かねてトレード先の最有力候補とみられていたジ軍移籍が事実上、消滅した。

 ヤ軍側の事情もある。今オフは「ぜいたく税」の対象とならないように年俸総額を上限の1億8900万ドル(約196億5600万円)以内に抑える方針で、1ドルも無駄にはしたくない。

 2年契約の最終年を迎える来季、イチローの年俸は650万ドル(約6億7600万円)。米スポーツ専門局ESPNのキース・ロー記者が「守備や走塁はいいが、打率(・262)も出塁率(・297)も低い。もはや毎日出る選手ではない」と話すように、650万ドルはあまりに高額だ。有力外野手がまだ市場に残っている現状では、ヤ軍がイチローの年俸の大部分を負担しない限り、トレードの成立は難しい。

 となると、イチローの次の「売り時」は来年2月下旬の春季キャンプ以降。この時期は故障者の発生などにより、編成の見直しを迫られる球団も多い。全国紙USAトゥデーのポール・ホワイト記者は「1番打者にケガ人が出れば、どうしても必要なチームは全額を払ってでも実績があるイチローを獲得しようとするだろう」と予想する。

 それでも、他球団に「空き」が出る保証はなく、ヤ軍にとどまった場合は控え外野手として開幕を迎える。殿堂入りの基準にあたるメジャー通算3000安打まで258本まで来ているが、イチローの立場は日に日に厳しいものとなっていく。

 ▽ぜいたく税(課徴金) 年俸総額が一定の上限を超えた球団がペナルティーとして支払う。03年に導入された。ヤ軍は唯一、昨年まで10年連続で支払っており、額は超過回数が多いほど上がる。大リーグ機構に納められた後、年俸総額の低い球団に分配される。上限は毎年変動。ヤ軍は14年オフまでに同年の上限である1億8900万ドルまで年俸総額を削減する方針を打ち出している。

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2013年12月14日のニュース