虎のゴルゴ・呉昇桓「被災者に寄付を」 セーブや登板数に応じ

[ 2013年12月14日 05:30 ]

和田監督(左)と握手をする呉昇桓

 韓国サムスンから阪神に移籍した呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が13日、大阪市内のホテルで入団会見を行った。通算277セーブの韓国プロ野球記録を持つ新守護神は、日本のプロ野球史上3人目の無敗のセーブ王になることを目標に掲げた。

 「チームが勝っている時に出て失敗をしないことが一番大事。(リードを)しっかり最後まで守る」。実績もある。11年にシーズン無敗でアジアタイ記録の47セーブをマーク。昨年、今年も1敗でシーズンを終えた。ピンチでも顔色一つ変えずに打者を抑える。その冷静沈着ぶりから、愛称は「虎のゴルゴ」。人気漫画「ゴルゴ13」から名付けられた。超一流のスナイパー、ゴルゴ13は成功率99・99%を超えるが、呉昇桓も負けていない。

 鉄則としているのが、四球厳禁だ。「投手として四球が一番悪い。四球を出さないといけない状況もあるが、とにかく、走者を出さないことが一番大事」。ここ3年の与四球は11、13、10。最小限に抑え、セーブ失敗のリスクを軽減してきた。 心優しい一面も見せた。会見中、自ら切り出し、東日本大震災の被災者を支援することを明かした。「(韓国の)テレビでも津波とか、地震を見ながら心はあまり良くなかった。そういう被害者に対して、自分の給料で寄付をしたい」。震災当時、サムスンには門倉や落合投手コーチが在籍し、募金活動に協力した。移籍金を含め、総額8億5000万円の2年契約。日本での支援活動は守護神として、セーブ数や登板試合に応じた寄付を行うことになりそうだ。

 昨季まで抑えだった藤川(カブス)がつけていた背番号22のユニホームに袖を通した。「(後任の)プレッシャーがないと言えばうそになるが、自分の仕事ができれば新しいイメージがつく」。最速157キロの剛腕が日本球界を震撼(しんかん)させそうだ。

 ▼阪神・和田監督 韓国での実績は申し分ない。投げっぷりが良くて向かっていくタイプ。勝負師的なところを感じる。どうやって呉昇桓につないでいくかに集中したい。

 ≪無敗のセーブ王狙う≫74年にセーブが導入されてから無敗で最多セーブは97年佐々木(横)3勝38S、09年武田久(日)3勝34Sの2人だけ。阪神では
77年山本和9勝5敗9S
85年中 西11勝3敗19S
07年藤 川5勝5敗46S
11年藤 川3勝3敗41S
と過去3人(4度)いたが、無敗で切り抜けた投手はいない。なお、来日1年目で最多セーブは00年ギャラード(中=35S)しかおらず、呉昇桓は14年ぶり2人目を狙う。

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