呉昇桓早くも胴上げイメージ「優勝の瞬間マウンドにいたい」

[ 2013年12月13日 05:30 ]

甲子園を見学する呉昇桓(左から2人目)

 阪神が獲得した呉昇桓投手(31=サムスン)が12日、甲子園球場など球団施設を見学した。今季まで所属していたサムスンの韓国シリーズ3連覇に貢献してきた右腕は来季、阪神の9年ぶりとなるリーグ優勝を目標に掲げ、胴上げ投手になることを力強く宣言。初見参となった新たな本拠地で胸を躍らせた虎の新守護神が、早くも歓喜の秋を見据えた。

 スピンの効いた快速球が、うなりを上げて捕手のミットに収まる。右拳を突き上げ、ベンチからはチームメートも駆けよる。こだまするのは「スン様」コールか。9年ぶりのリーグ優勝に沸く甲子園で、歓喜の輪の中にいるのは呉昇桓――。初見参となった本拠地・甲子園で新守護神が見たのは「V」の2文字だった。

 「優勝というのはどの球団の、どの選手も目標にしている。やはり優勝の瞬間にマウンドでボールを投げるのは韓国でもやってきたし、ここ(日本)でもやっていきたい気持ちは大きい」

 サムスンでは絶対的クローザーとしてチームのシーズン&韓国シリーズ3連覇に貢献。誰よりも、優勝の味を知る男のいきなりの「胴上げ投手宣言」も、説得力は十分だった。韓国では5度も優勝の瞬間のマウンドを経験。胴上げは未経験で「今は考えられない」と遠慮がちに話しながらも「韓国で3年連続優勝してきたので、4年連続も狙っていきたい」と猛虎のV奪回に早くも闘志をたぎらせた。

 初めて足を踏み入れた甲子園のスケールは想像以上だった。サムスンの本拠地・大邱市民運動場野球場の収容人員は約1万4000人で、甲子園球場はその3倍以上を誇っている。

 「テレビでしか見たことがなかった球場に初めて来て、驚いた。ファンが埋まっているのを想像すると楽しみになってきた」。15日にアメリカンフットボールの「甲子園ボウル」が開催されるため、内野グラウンドにも芝生が敷き詰められるなどマウンドそのものが存在しなかったが、360度を虎党が埋め尽くす“地の利”をイメージし、興奮を隠しきれなかった。

 一方で、結果を出さなければ厳しい視線が待っている。重圧を問われると「悪い考えより、良い考えのほうが良いので、お客さんがいっぱいいるところでセーブを挙げるイメージをしている途中」と超プラス思考な一面を見せた。

 「契約の前まで想像もつかないことだったが、契約して、ある程度甲子園での(投げているイメージは)想像はつく。これからはファンもいるので、その前で良い姿を見せていきたい」。寒風吹きつける甲子園で見た“夢の光景”を自らの手で実現してみせる。

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2013年12月13日のニュース