長嶋さん 3・28GT開幕戦始球式再登場 投手に王さん浮上

[ 2013年12月7日 08:00 ]

5月5日には東京ドームで松井氏(左)が投げ長嶋氏が打席に立った

 ミスター、再登場――。巨人が、来年3月28日の阪神との開幕戦(東京ドーム)で、長嶋茂雄氏(77=巨人軍終身名誉監督)を中心とした特別始球式を計画していることが6日、分かった。来年は巨人の前身である大日本東京野球倶楽部から創立80周年を迎える。節目の年の開幕セレモニーの目玉として、今年5月5日の国民栄誉賞授与式に続き、長嶋氏が再びバットを手に打席に立つもよう。対戦相手には巨人軍OB会会長の王貞治氏(73=ソフトバンク球団会長)や、愛弟子の松井秀喜氏(39)との「再戦」も候補に挙がる。

 また、ミスターのスイングが見られる。来年は巨人の球団創設(1934年12月)に基づき、プロ野球80周年にあたる。このため、球界関係者は「各球場の開幕戦で、それにふさわしい特別なイベントを企画している」。なかでも、巨人は本拠地・東京ドームに阪神を迎えて10年ぶりに「伝統の一戦」で開幕戦を迎えるとあり、ファンに最大限の夢を与えるプランを企画中だという。

 そうなれば、主役はもちろん、ミスターをおいてほかにいない。長嶋氏が今年5月5日の国民栄誉賞授与式で東京ドームの打席に立ったのは記憶に新しい。投手役の松井秀喜氏から放たれた内角高めの球に対し、04年3月に脳梗塞で倒れてから右半身に麻痺(まひ)が残る同氏は左手一本で力強くスイング。顔の辺りに来たボール球に空振りという結果に終わったが、周囲には「気持ちが高ぶっていて、いい球だったら打っていた。今度そういう機会があったら打つぞ」と生粋の勝負師らしく、本気で悔しがっていた。

 当時はリハビリの一環として、自ら毎日50スイングの素振りを取り入れていた。現在も都内の施設で懸命なリハビリを敢行中。ゴルフスイングも行うほどに体調も回復している。長嶋氏にとっても来年の開幕戦での式典は、大きな目標になるはずだ。

 詳細は今後煮詰めることになるが、投手役には日本球界をともにけん引した王貞治氏の名前も挙がる。「ON対決」が実現すれば、野球ファンにとっては垂ぜんの的。ほかにも5・5のコントロールミスをいまだに悔しがる松井氏の「再登板」や、江夏豊氏ら阪神OBの起用などもありそうだ。また、原監督が捕手で飛び入り参加し、一役買うことも考えられる。

 当初、巨人は80周年記念として、加藤良三前コミッショナーの希望もあり、阪神との開幕戦の米国開催を目指していた。しかし、最終的に選手のコンディション維持、経費上などの問題で断念した経緯がある。それでも、来年3月10日の阪神とのオープン戦を、主催試合として球団草創期のエース・沢村栄治の故郷・三重県伊勢市で行うなど、「プレ開幕戦」の機運を高めてきた。

 そして、来年3・28開幕戦の始球式。長嶋氏が今度は打つ。新たなミスター伝説が、球団の記念イヤーに刻まれることを、ファンは心待ちにしている。

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