下柳氏「楽しく笑って終わりたい」母校で同級生と引退試合

[ 2013年12月1日 05:30 ]

引退試合で胴上げされる下柳氏

 阪神などで活躍した下柳剛氏(45=野球解説者)の引退試合が30日、母校・瓊浦(長崎)の野球部グラウンドで行われた。左腕率いる「62年卒」チームは、後輩チームと対戦。懐かしのマウンドに上がり、笑顔で最後の花道を飾った。

 「楽しかったね。肩は痛かったけど。腕を振ったら、ボールと一緒に肩から先がついていきそうだった」

 先発登板して5回を7失点。8回終了時点で3対18と大差をつけられていたが“変則ルール”により、9回からは3対3の同点で開始。2死一、二塁から中越えの勝ち越し打を放つと、そのまま最終回のマウンドへ。2死満塁から、最後は通算129勝を稼いできた宝刀フォークで遊ゴロに仕留めた。整列後には、この日のために集結した計28人の同級生と後輩から胴上げされた。

 チームメートからのサプライズだった。今年8月、当時の主将・宮崎光浩さんが「シモ(下柳)が正式な引退試合をしていなかったから」と企画、立案し、準備を進めた。母校からグラウンド使用の許可をもらうと、OB会と連絡を取り合って対戦相手の後輩をかき集めた。本人も、かねて「公式試合でなく、楽しく笑って終わりたい」と話しており、まさに理想の引退試合となった。

 ネット裏から見守った安野監督も「まさかこんな投手になるとは思わなかった。100点満点以上」と慰労した。大切な人たちに見守られ、最高の幕引きとなった。

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2013年12月1日のニュース