小笠原 落合GMに口説かれた「オレが現役時代につけた3と6」

[ 2013年11月27日 05:30 ]

入団発表し笑顔で写真撮影に応じる小笠原

 巨人から海外フリーエージェント(FA)宣言していた小笠原道大内野手(40)が26日、中日に入団した。名古屋市内の球団事務所で正式契約を結んだ。年俸3000万円の1年契約とみられる。背番号は36に決まった。

 中日をイメージした青のネクタイを締めて迎えた節目の日。小笠原の表情は晴れ晴れしていた。

 「(落合博満GMとは)いろんな話というよりは一つだけ。“必要だから来てくれ”と。十分すぎる言葉でした」

 プロ1年目、日本ハム時代の97年。落合GMが巨人から移籍した1年目でもあった。同年のキャンプで、小笠原は新人ながら落合GMのキャッチボール相手に指名され、さらに試合では自軍の攻撃時にベンチに置かれた落合GMのファーストミットに練習用のボールを入れておくのも「仕事」だったという。

 18日に都内で、その師から「戦力として必要だ」と口説かれ、出場機会に飢えていた40歳を迎えたベテランの心は動いた。さらに、背番号についても「オレが現役時代につけた3と6を足して36でどうだ?」と提案された。大きな期待を実感し、小笠原は「できる限りの配慮をしていただいた。自分の番号にしていきたい」と恩返しを誓った。

 計56試合に出場で23安打と、鳴かず飛ばずの2年間を過ごした小笠原。その再起の可能性を問われた落合GMは「復活じゃない。普通のことをやれば人並み以上の成績を残す。その場所が来年はドラゴンズということ。必要のない戦力には声を掛けません」と断言。06年オフに小笠原が日本ハムからFA宣言した際も、当時中日監督だった落合氏は獲得に動いた。しかし、チーム編成、予算上の問題もあり断念した経緯があったが、いまだその実力が衰えていないことをあらためて強調した。

 最高年俸4億3000万円だった小笠原が3000万円。それでも「きのうまでのことは忘れた。来季もプレーできる場所をいただいた。谷繁監督の胴上げをイメージして毎日を送りたい」と言った。

 巨人の宿敵である中日への移籍を決断し、来季は巨人と対峙(たいじ)する。この日、巨人・原監督に電話で移籍報告し、「けじめ」はつけた。「まだ、イメージは全く湧かない。でも、(優勝のため)巨人は必ず越えなくてはいけない(壁)」。落合GMとの出会いから17年となる来季に、2人の運命は再び交錯した。巨人での晩年は眠り続けたバットマンが、名古屋で輝きを取り戻す。

 ▼巨人・原監督 朝、一報を受けました。彼に伝えたのは、少し切ったけど(生涯打率が).320の選手と一緒に戦えて大変良かった、幸せだったと。同時に、一野球人として尊敬する1人だと。胸を張って堂々と来季も戦ってくれと話をしました。

 ≪ロ中巨で6 ハムで3≫落合GMは現役時代、ロッテ、中日の15年間は「6」をつけた。巨人移籍1年目の94年は「60」だったが、95、96年は再び「6」に。97、98年日本ハムでは「3」をつけた。中日監督時代の04~11年は「66」で通した。なお、小笠原は97~06年日本ハム、07~13年巨人と通算17年間背番号「2」をつけ続けた。

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2013年11月27日のニュース