良太決勝弾 掛布効果だ「打つ瞬間、折れていなかった」

[ 2013年11月17日 05:30 ]

<神・LG>4回2死、先制ソロを放ち、掛布DC(左)とハイタッチをかわす新井良

 阪神が高知県安芸市で行っている秋季キャンプは最終クール2日目を迎え、韓国・LGとの練習試合(安芸)が行われた。「4番・指名打者」で先発した新井良太内野手(30)が4回2死無走者から左翼席へ決勝ソロ本塁打を放ち、掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(58=DC)との特訓の成果を披露。不本意な1年を過ごした男が、激変の秋を送っている。

 過ごしてきた時間は間違っていなかった。秋空に掲げた一筋のアーチが確かな証拠。ナインとハイタッチを交わした最後、掛布DCから肩を組まれて祝福された瞬間にふっと笑顔がこぼれた。

 「打った、打たないはどうでもいいので。取り組んでいることを継続してやるだけです」

 4回2死走者なし。先発左腕・尹智雄(ユンジウン)の125キロスライダーを左越えソロ。だが、一塁ベンチ横から見守っていた掛布DCのチェックポイントは「軸足となる右ヒザ」にあった。「打つ瞬間、折れていなかったからね。だからバットを前に放り出せた」。今キャンプは毎日朝から晩まで師匠と二人三脚で改造してきた成果がここにあった。本人も手応えを口にする。

 「そういうところを注意して練習している。練習の成果が出た」

 右投手の金暁南に代わっていた6回は1死一、三塁から左前適時打。3球目の内角直球137キロをファウルにして、1ボール2ストライクと追い込まれた。定石通りなら、次は外角低めへの変化球。崩されて空振り、というのは今季もあった。だが結果球は同じく内寄り136キロ直球。シンプルに左中間へ。掛布DCは舞台裏を明かす。

 「試合後“もしあそこで外にスライダーが来ていたら見逃せたか?”と聞いたら、“見逃せました”と言うんだ。本人の頭にもあったんだろう。なのに、“おっつけて”左前に打てた。あれはこれからの打席での待ち方、仕掛け方の大きなヒントになったはず」

 本来、おっつける打球は中堅から逆方向へ飛ぶが、その反対を行くのが掛布流で、その部分を強調していた。今成亮太とシ烈な三塁手争いを繰り広げ、和田監督からも熱いゲキが飛んだ。

 「きょうはWリョウタ。試行錯誤の段階が終わって、これから固めていこうというところ。今までと違うものが見えてきているんじゃないかな」

 掛布DCは「いいメッセージを頂いたよ」。届けた“一発回答”。ニュー良太がここにいる。

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