巨人 中田賢獲り参戦へ “本命”ソフトBとガチンコ勝負

[ 2013年11月14日 06:00 ]

中日からFAの中田賢

 巨人が、国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明している中日・中田賢一投手(31)の獲得に向け、調査を本格化することが13日、分かった。12日にFA権行使を表明した広島・大竹寛投手(30)との両獲りに向け、同じく両投手の獲得を目指すソフトバンクと激突する。この日、FA権行使の申請期間が終了。申請手続きを行った選手は、14日に「FA宣言選手」として公示され、15日から契約交渉が可能となる。

 15日の交渉解禁を目前に控え、巨人がまたしても先発右腕の本格調査に動きだした。今度のターゲットは中田賢だ。北九州市出身で地元球団のソフトバンク入りが有力という情報もキャッチしている。それでも、先発補強に妥協はない。現状を探り、獲得参戦への可否を決める。

 中田賢は6日に「自分が一番投げたいと思えるところでやりたい」とFA権行使を表明した。07年には自己最多、リーグ2位タイの14勝を挙げて日本一にも貢献。通算61勝の実績を誇る31歳右腕だが、今季はシーズン序盤に中継ぎに配置転換されるなど、消化不良のシーズンを送っていた。

 日本一奪回を目指す巨人にとって、先発補強は不可欠。前日にはFA権行使を表明した広島・大竹に対し、原沢球団代表兼GMは「ドラフトで即戦力投手を獲得できていないことを考えると、そこを埋めていく候補になる」と参戦に前向きな姿勢を示した。中田賢もシーズン中から視察を続け、先発ローテーションを担える投手と判断した。

 渡辺恒雄球団会長は日本一奪回へ「今度はあらゆる補強をして勝つ」と大型補強を明言している。いずれも同一リーグに所属する大竹と中田賢の両獲りとなれば、相手の戦力ダウンにもつながり、一石二鳥となる。特に中田賢には通算で6勝10敗と分が悪く、07年のCS第2ステージでは第3戦で7回2/3を2失点に抑え込まれ3連敗を喫して日本シリーズ進出を閉ざされた苦い経験もある。

 ただし、立ちふさがる敵がいる。ソフトバンクだ。中田賢と相思相愛の上、大竹にも親会社の資金力をバックに金銭面で優位に立とうとしている。しかも巨人OBで、球団のOB会長も務める王貞治球団会長がおり、5年ぶりのBクラスからの巻き返しに大型補強を目指している。今後の展開次第では、両投手をめぐる争奪戦で相まみえる。

 巨人は西武・片岡の獲得にも動く。1シーズンのFA宣言選手が20人以下の場合、FA選手の獲得は2人までだが、今季年俸7000万円の中田賢は人的、金銭ともに補償が必要ないCランクで制限の対象外だ。3選手獲得となれば92年のFA導入以来史上初となる。王ソフトバンクとの事実上の一騎打ちを制すれば、おのずと道は開ける。

 ◆中田 賢一(なかた・けんいち)1982年(昭57)5月11日、福岡県生まれの31歳。八幡から北九州市大に進学し、4年秋の久留米大戦でノーヒットノーランを達成。04年ドラフト2巡目で中日に入団した。通算186試合に登板し、61勝51敗1セーブ、防御率3・57。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

 ▽FA補償 宣言選手の移籍前所属球団での年俸ランキング(外国人選手は除く)によって補償は変わる。Aランクは上位1~3位、Bランクは4~10位、Cランクは11位以下。A、Bランク選手については、前所属球団は「人的補償+金銭補償」か「金銭補償のみ」を選択できる。人的補償は、外国人とプロテクト表に記載された28選手を除いた選手の中から選ぶ。また1シーズンのFA宣言選手が20人以下の場合、FA選手の獲得は1球団2人まで。21~30人は3人、31~40人は4人までとなる。Cランクの選手には、獲得人数に制限はない。

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2013年11月14日のニュース