情報戦?ヤンキース地元紙がマー君獲りネガティブ報道

[ 2013年11月14日 06:00 ]

楽天の台湾支社の女性から花束を贈られ、笑顔の田中

 大リーグのGM会議は12日(日本時間13日)に2日目を迎えたが、大リーグ移籍が決定的な楽天・田中をめぐり、早くも「情報戦」が展開され始めた。田中獲得に向けては潤沢な資金力を誇るドジャースとヤンキースの一騎打ちの様相を呈している中、ヤ軍の地元・ニューヨークでド軍を「けん制」するかのような田中に対するネガティブ報道があった。

 深謀遠慮のもくろみか。田中の獲得資金に計160億円を用意しているとみられるドジャースのネド・コレッティGMが「若くて才能ある選手。高額な入札による争奪戦になる」と予想したGM会議の一方で、「場外」では右腕への懐疑的な意見が飛び出した。

 ニューヨーク・ポスト紙は12日付(電子版)で「巨額投資で田中を獲得した後には、詳細な身体検査が必要」との見出しで、田中の登板過多を不安視する声を報道。日本シリーズ第6戦で160球を投げて完投した翌日に救援登板したことを挙げ、「投資する側から見れば、あれは普通の使い方ではない」というある球団幹部の談話を紹介すると同時に、肩、肘の酷使から複数球団が獲得を懸念していることを伝えた。さらには「交渉権を得たチームが身体検査の結果を気に入らなければ、契約しないこともあり得る」という別の関係者の話まで掲載している。

 確かに今季の田中の球数はポストシーズンも合わせると実に3419球にも上る。また、これまで勝利数が1シーズンごとに増減する「隔年投手」の傾向もあり、疲労の蓄積、肩の消耗度は心配される点ではある。ただ、関係者の間では今回の報道は「争奪戦を避けたいがための、けん制」という見方もある。現時点ではヤンキースとドジャースの一騎打ちの様相ではあるが、競争相手を減らし、金額を抑えたいのが本音。故障のリスクをちらつかせることで、争奪戦から降りるチームも必ず出てくるからだ。

 メディアを使っての「情報戦」は米球界では珍しくない。ヤ軍のハル・スタインブレナー共同オーナーは、田中について「とても気に入っている。疑いようのない、いい選手だ」と簡潔に評したが、本拠を置くニューヨーク発の報道ということで、ヤ軍がド軍をけん制したとの臆測も成り立つ。田中の獲得に向け、今後さらに「情報戦」も駆け引きの道具として使われることになりそうだ。

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