野球人生最後の勝負!小笠原FA宣言 中日入り有力

[ 2013年11月11日 06:00 ]

報道陣の前でFA宣言を表明する小笠原

 巨人の小笠原道大内野手(40)が10日、川崎市のジャイアンツ球場で会見を行い、既に保有していた海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。プロ17年目の今季はわずか22試合の出場に終わり、来季の戦力構想から外れていた。現時点では落合博満GM(59)が興味を示している中日への移籍が有力とみられる。小笠原は11日に球団を通じて申請する。7年間在籍した巨人に別れを告げ、野球人生最後の勝負に出る。

 突然の表明だった。秋季練習の輪を外れていた小笠原は、ユニホームに球団ジャージー姿で会見に臨んだ。その表情は決意に満ちあふれていた。

 「FAをしようと思います。最後にもう一度自分を見つめ直したい。また新しいところで、最後に挑戦してみたいという思いで決断しました」

 今季はプロ入り最少の22試合出場に終わり、打率・250、1本塁打、8打点。日本シリーズのメンバーからも外れた。決意を固めたのは数日前。秋季練習初日で1、2軍の全スタッフや選手が集合したこの日、球団側に意向を伝えた。40歳シーズンオフでのFA権行使は、93年オフの落合博満に並ぶ最高齢となる。

 小笠原は9月から球団と話し合いを重ねてきた。今季の年俸7000万円から大幅減俸での残留や、自由契約となり他球団への移籍を探る選択肢も挙がった。だが、原沢敦球団代表兼GMは「これだけの功労者が自由契約でチームを去るのはあってはいけないと思っていた」と説明。その結論がFA権を行使しての他球団移籍だった。

 限界説も飛び交うが、自信を問われると「そういう気持ちがなければ今日に至ってないと思います。1軍で試合に出ることが野球選手として一番大事なこと」ときっぱり言った。06年オフに日本ハムからFAで巨人入りし、翌年からのリーグ3連覇に大きく貢献。11年には通算2000安打も達成。7年間在籍したチームには「最大限の配慮をしてもらった。非常に充実した期間と思います」と感謝を並べた。

 移籍先は中日が有力だ。今季から就任した落合GMは、97年から2年間、日本ハムで一緒にプレーした間柄。FAで巨人に移籍しながら最後は出場機会を求めて他球団に移籍した境遇も似ている。中日監督時代の07年には、オリックスを戦力外となった中村(現DeNA)を獲得し、再生させた実績もある。井端が退団した内野陣は層が薄く、経験豊富な小笠原の加入がプラスになるのは間違いない。小笠原は年俸Cランク選手(元球団における年俸11位以下=外国人を除く)で、獲得する上で金銭あるいは人的補償の必要もない。

 「必要としてくれるのであれば、まず話をして、そこから考える」。大きな決断を下した小笠原。来季は選手生命を懸けたシーズンに挑む。

 ◆小笠原 道大(おがさわら・みちひろ)1973年(昭48)10月25日、千葉県生まれの40歳。暁星国際からNTT関東を経て、96年ドラフト3位で日本ハム入団。02、03年に首位打者。06年は打点王、本塁打王の2冠。その他にベストナイン7度など数々のタイトル獲得。同年オフに巨人にFA移籍。移籍1年目の07年に2年連続MVPに輝いた。また日本代表として04年のアテネ五輪、06年と09年のWBCに連続出場。愛称は「ガッツ」。1メートル78、83キロ。右投げ左打ち。

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2013年11月11日のニュース