小久保ジャパン3連勝 本塁打ゼロも足絡め“色”出した

[ 2013年11月11日 06:00 ]

<台湾・日本>嶋を出迎える小久保監督

侍ジャパン強化試合 日本代表1―0台湾代表

(11月10日 台湾・天母)
 新生侍ジャパンは10日、台湾代表との強化試合の最終第3戦を行い、1―0で勝ち、3連勝で遠征を終えた。3回に岡島豪郎外野手(24)が適時打を放ち、4投手の継投で完封した。今回はアマチュア選手も加えた若手主体のチーム編成となったが、小久保裕紀新監督(42)は、2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて最高の船出を飾った。

 公約通りの3連勝。ただ、指揮官の笑顔に力はなかった。初采配は国を代表する侍ジャパン。「正直、言っていいですか?」と前置きした小久保監督は本音を漏らした。

 「めちゃめちゃ疲れました。疲労は脳から来るのが実感できた。監督とはこんなに集中力が必要なのかと思いました」

 一瞬も油断しなかったからこそ、采配も決まる。0―0の3回2死で、一塁走者の菊池は「(変化球の)握りが見えた」と初球に二盗を成功。暴投で三塁に進んだ後、岡島の右前打で先制のホームを踏んだ。「自分の野球観はそう。それ以外はやったことがない。(国際試合では)こういう点の取り方が必要だと感じた」と指揮官。走塁に関しては、行けると判断すればOKの「グリーンライト」の指示を出し、機動力野球で1点をもぎ取った。

 その一方で、この3試合で本塁打はゼロ。小久保監督はあらためて中田への期待を口にした。「きょうくらいは翔(中田)に一発出ると思ったけどね」。この3試合は全て4番で起用。13打数2安打、打率・154に終わったが、「今の日本人であれだけ遠くに飛ばせるのは彼だけ」と繰り返す。中田自身もそれは分かっている。「ふがいない。4年後は結構先だけれど、4番は中田と言ってもらえるようにしたい。もっともっとバットを振り込まないといけない」と成長を誓った。

 「最終的には今回のメンバーで集まれればいい」。試合後、ロッカールームに選手たちを集めたミーティングで背番号90はそう、呼びかけた。28人の侍を軸とした4年後の世界一奪還への挑戦は、敵地での3連勝という最高の形で始まった。

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