中田 現地紙に誤解された「打撃不調」報道

[ 2013年11月8日 06:55 ]

台湾代表のニュースとともに中田の様子を報じる現地紙

 小久保裕紀監督(42)率いる新生侍ジャパンは8日、台湾代表(新荘球場)との初陣を迎える。台北に到着した7日、最も注目を浴びたのは4番・中田翔外野手(24)だった。台北・松山空港では約50人のファンに囲まれ、同日の地元紙には「打撃不調」とまで報じられた。17年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まで侍の4番を打ち続けることを期待される主砲は、敵地のファンに自身の力を見せつけると宣言した。

 台湾メディアに言葉の意味をはき違えられたと知り、中田は思わず聞き返した。「打撃不調?」ただ、怒りはしない。侍ジャパンの4番を託された男は、言葉ではなく、結果で反論する。

 「体が鈍かったと言ったのが、そう(不調と)取られたんですか?まあ、シーズン終わって時間がたっているけど、普段と同じスイングはできている。試合になったらスイッチは入ります。台湾の皆さんに覚えてもらえるよう、球場を沸かせたいですね」。そう言って不敵に笑った。

 6日の川崎市のジャイアンツ球場での全体練習の際、34スイング中、柵越えは3本にとどまり「体が鈍かった」と話した。それが海を越えて台湾に伝わり、7日付の地元紙・アップルデイリーに「6日の練習後、打撃の不調を自覚していると語った」と大きく口を開け凡打したような資料写真とともに、掲載された。この日、午後4時半から始まった新荘球場での打撃練習では、24スイングで柵越えは3本。猛烈デモとはいかなかったものの、きょう8日に向けての闘志をみなぎらせた。

 4年後まで中田と運命をともにすると決めた小久保監督も、柵越えの数など気にも留めなかった。「良くても悪くても4番。調子に関係なく、どしっとやってほしい」。その指揮官からは国際試合の心得も伝授された。「(小久保監督は)時間のことを話された」と中田。この日、台北市内のホテルで行われた公式会見が長引き、練習時間は30分近く短縮された。「(国際試合は)時間通り進むことは少ない。それでプレーに影響が出るようでは戦えない」。慌てない。あくまでも泰然自若。中田は指揮官の言葉を受け止め、あらためて主砲として威風堂々と振る舞うことを誓った。

 「本当に徐々に気持ちは入ってきた。チームも勝ちにこだわる方針だし、その中でも楽しみたい」と背番号6は力強く語った。夕刊紙・聯合晩報には、ファンに囲まれる写真とともに「包囲網」との見出しが躍った。相手に警戒される中で結果を出してこその4番。中田にはそれだけの力がある。

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2013年11月8日のニュース