鳥谷 残留決意!シリーズに感化「打倒巨人」再び

[ 2013年11月7日 06:00 ]

阪神残留を決意した鳥谷

 猛虎愛貫く! 海外フリーエージェント(FA)権を保有し去就が注目されていた阪神・鳥谷敬内野手(32)が来季も残留することが6日、分かった。シーズン終了後からメジャー移籍か否かで熟考を続けてきたが、この日、球団に残留の意思を伝えたとみられる。ただ、来季以降のメジャー移籍の可能性を残すために、昨年同様、FA権は行使せずに、球団とは単年での契約をかわすことが濃厚だ。

 長年の憧れよりも、最後は阪神への熱い思いが上回った。海外FA権を保有し、去就が注目されていた鳥谷が熟考の末に阪神残留を決断した。球団へはこの日、意思を伝えたと見られる。揺れる思いを動かしたものは、一体何だったのか―。鳥谷に近い関係者によれば、第7戦までもつれ込んだ楽天―巨人の日本シリーズが少なからず影響を与えたという。

 戦前は巨人が有利と見られていたが、最後に日本一の称号を手にしたのは楽天だった。田中、則本のフル回転だけでなく、野手陣も懸命に食らいついた。下馬評を覆せたのも、楽天ナインが一丸となれたからに他ならない。巨人を倒し歓喜する姿は、鳥谷をはじめとする阪神ナインの悲願とも重なる。2位とはいえ、12・5差もの大差をつけられた今季も、終わってみれば悔しさしか残らなかった。05年以来、遠ざかる覇権。このまま、海を渡るわけにはいかない。最後に鳥谷の心を突き動かしたのは、打倒巨人の4文字だった。

 シーズン終了直後に「まだ何も決めていないけれど、権利をもっているのでじっくり考えたいと思います」と語っていたように、結論を出すまでは悩みに悩み抜いた。早大時代から憧れてきたメジャーリーグ。今季は日本代表としてWBCにも出場し、アメリカの地も踏みしめていた。走攻守の三拍子が揃ったプレースタイルには、シーズン中からメジャー数球団も注目。実際、ブルージェイズ、カブスなどが直接視察していた。初めて海外FA権を取得した昨年とは、鳥谷を取り巻く環境も一変。心が揺れ動いたのは、いわば自然の流れだった。

 来季以降にメジャー移籍の可能性を残すためにも、昨年同様、FA権は行使しないことが濃厚となっている。球団サイドも鳥谷の考えを理解しており、今後は単年での契約更改交渉が行われる見込み。鳥谷自身も雪辱の来季へ向けて、より一層のトレーニングに励むこととなった。

 4番候補にマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)、守護神候補にサムスンの呉昇桓ら補強を進めているが、鳥谷の残留なくして来季のV奪回はあり得なかった。猛虎愛とともに進む2014年シーズン。鳥谷は誰よりも強い思いで、日本一の栄冠を獲りに行く。

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2013年11月7日のニュース