巨人 広島・大竹獲り 楽天も参戦濃厚、争奪バトルぼっ発へ

[ 2013年11月4日 06:00 ]

巨人が獲得に乗り出した大竹。楽天など複数球団も参戦濃厚

 日本一を逃した巨人が、今季に国内フリーエージェント(FA)権を取得した広島・大竹寛投手(30)の獲得に乗り出すことが3日、分かった。今オフは2桁勝利が計算できる右腕の先発投手が補強ポイントで、既に水面下で調査を開始。同投手がFA宣言した場合は獲得に全力を注ぐ。大竹獲得には、絶対的エースだった田中将大投手(25)の大リーグ移籍が決定的となった楽天も参戦。日本シリーズに続く争奪バトルとなる。

 40年ぶりとなる日本一連覇を逃した巨人が、早くも覇権奪回へ動く。今オフの国内FA市場で先発投手の目玉の一人となる大竹の獲得だ。

 今季は独走でセ・リーグを制したが、先発ローテーションの一角として期待された3年目の宮国は6勝止まり。沢村もシーズン途中で中継ぎに配置転換された。ホールトンの去就も不透明で、今オフの最大の補強ポイントは不足している先発右腕であるのは明らかである。ドラフトで獲得を狙った即戦力右腕の東京ガス・石川は、ロッテとの1位競合の末に抽選で外し、2位以下の指名4選手は高校生。即戦力右腕の獲得をFA市場に切り替えて水面下で調査してきた。

 大竹は今季、2年連続で2桁勝利となる10勝を挙げ防御率3・37。エースの前田健とともに広島を球団初のCS進出に導いた。通算74勝の実績、経験は申し分ない。巨人は先発左腕は経験豊富な内海、杉内がいるだけに、先発右腕の軸となる投手の獲得は、日本一奪回には欠かせない。

 ただ、大竹がFA権行使を決断した場合は、巨人以外にも楽天、ソフトバンクなど複数球団が参戦するのは確実だ。特に楽天は、今季レギュラーシーズン24勝0敗1セーブの田中の穴をいかに埋めるかが日本一連覇への最大の課題となる。球団関係者も「今オフの最大の懸案事項は先発投手。特にFA(選手)の動向を見たい」と語り、既に大竹については水面下で調査を進めているという。気迫を前面に押し出す大竹の投球スタイルは、「田中や則本のように、気持ちを込めて投げる投手じゃないと駄目」と日頃から話す星野監督の好みでもある。

 大竹は既に広島と2度の残留交渉に臨み、3年総額4億円、単年で年俸1億5000万円の2種類の提示を受けたとみられる。その中で「(チームに)残るか、残らないか…。その両方についてよく考えている」とFA移籍の可能性に含みを持たせている。日本シリーズで第7戦までもつれ込む死闘を演じた両球団が、今度は大竹をめぐって火花を散らす。

 ◆大竹 寛(おおたけ・かん)1983年(昭58)5月21日、埼玉県生まれの30歳。浦和学院から01年ドラフト1巡目で広島入団。04年後半に抑えを務め、05年から先発ローテーションに定着。08年は開幕投手を務める。その後故障に苦しむも、12年に自己最多の11勝でカムバック賞を受賞した。1メートル83、90キロ。右投げ右打ち。今季年俸1億円。

 ≪“7日以内”に意思表示≫FA権を行使する場合は、日本シリーズの終了日から土、日曜日と祝日を除く7日以内に在籍球団にその意思を表明する。今年の場合は5日から同期間に入る。契約交渉は「FA宣言選手」として公示された翌日から可能となる。

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