V9の川上哲治元巨人監督が死去 93歳

[ 2013年10月30日 15:41 ]

1970年10月、選手を出迎える川上哲治監督

 戦前、戦後を通じ巨人で選手として活躍、監督としてV9を達成した川上哲治(かわかみ・てつはる)氏が28日午後4時58分、東京都稲城市内の病院で老衰のため死去した。93歳だった。葬儀・告別式は近親者のみで執り行った。

 川上氏は1920年3月23日、熊本県生まれ。熊本工時代に投手として吉原正喜(第2次世界大戦で戦死)とバッテリーを組み、34、37年全国中等学校野球選手権に出場。いずれも準優勝を果たしている。
 
 38年に吉原とともに巨人入団。同期には千葉茂がいた。プロでは打者として活躍。大下弘の「青バット」と並び称される「赤バット」で終戦直後の球会を盛り上げる。MVP3回、首位打者5回、本塁打王2回、打点王3回のタイトルを獲得し「打撃の神様」の異名を取った。通算18年で2351安打を放ち、生涯打率は3割1分3厘。

 61年に水原茂監督に代わり巨人監督に就任。14年間で優勝11回、2位1回、3位1回、4位1回。1066勝739敗、勝率・591の驚異的な成績を残した。特に65年からの9連覇(日本シリーズも)は球史に輝く金字塔で、巨人軍第3期黄金時代を築いた。

 10連覇を逃した74年に監督退任。その後は野球評論家として活躍。球界への強い影響力から「ドン」と呼ばれることもあった。

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