ロペス 坂本のミス、松井の好走塁消した高度なプレー

[ 2013年10月27日 10:50 ]

<楽・巨>5回無死一塁、嶋のショートへの内野安打で三塁を狙った一走・松井を三塁でアウトにするロペス

日本シリーズ第1戦 巨人2―0楽天

(10月26日 Kスタ宮城)
 ロペスは瞬時に判断を切り替えた。1点リードの5回無死一塁の守備だ。嶋のバスターエンドランの打球は三遊間へ。遊撃手の坂本は深い位置で捕球し、無理な体勢から一塁へ送球した。一塁は間に合うタイミングではなく、坂本の明らかなミスだった。スタートを切っていた一塁走者の松井はこれを見て「自分ではいけると思った」と一気に三塁を狙った。

 案の定、送球は山なりのワンバウンドで、しかも本塁方向にそれた。「最初は最低でも坂本の送球を前に落とそうと思っていた」というロペスだが、一塁ベースを離れ、思い切って3、4歩前に出て捕球。素早く三塁へ送球し、松井を刺した。ロペスは大リーグで主に二遊間を務めるなど、動きが俊敏。川相ヘッドコーチは「一塁はセーフだし、松井の動き、走塁を視界の中に入れていた。ロペスのジャッジが素晴らしかった」と称えた。

 三塁ベースコーチの楽天・鈴木内野守備走塁コーチが「狙いは悪くないがな…」と言ったように、坂本のミスを逃さずに三塁を狙った松井のプレーは、好走塁と紙一重といえる。ロペスの判断が遅れていれば、無死一、三塁と好機は広がっていた。坂本のミスと松井の好走塁を消したロペスの高度なプレー。楽天のある選手は「巨人は完成されてますね」と言った。短期決戦。一つの守備が勝敗の分かれ目になることは少なくない。

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