西武 石井貴投手コーチが急転辞任 8月投手陣不振の責任取り

[ 2013年10月19日 08:07 ]

今季限りで辞任する石井貴投手コーチ

 西武・石井貴投手コーチ(42)が、今季限りで辞任することが18日、分かった。来季も1軍コーチとして残留する方向だったが、この日までに鈴木葉留彦球団本部長に辞意を伝え、了承された。

 石井コーチは今季、ブルペンを担当。関係者によると、勝負どころの8月に投手陣が防御率5・23(10勝15敗)と崩れるなど、その不振の責任を自ら取ったという。

 93年ドラフト1位で入団。08年からのコーチ時代を含めて計20年間、西武一筋でユニホームを着続けた。現役時代はエース松坂(現メッツ)の兄貴分的存在。投手陣のリーダー格で、実直な人柄から選手に慕われていた。球団は生え抜きの貴重な人材を失うことになるが、問題はそれだけにとどまらない。

 今季限りで辞任した渡辺監督の後任には伊原春樹氏を最有力候補に調整を進めているが、いまだ発表には至らない状況。既に杉本1軍投手コーチの2軍への配置転換も決まっており、来季は、投手個々の調整法などを把握している2人の1軍投手コーチが不在になる。さらに光山作戦兼バッテリーコーチ、安部打撃コーチも退団。23日からの秋季練習を目前に控え、監督はおろか投手、打撃、バッテリーと主要ポジションのコーチが依然として未定という緊急事態となった。80~90年に圧倒的な強さで黄金時代を築いたチームが混乱に見舞われている。

 ◆石井 貴(いしい・たかし)1971年(昭46)8月25日、神奈川県生まれの42歳。藤嶺藤沢から三菱重工横浜を経て、93年ドラフト1位で西武に入団。プロ14年間の通算成績は321試合で68勝58敗13セーブ、防御率3.78。04年にはシーズン1勝も中日との日本シリーズで2勝を挙げMVP獲得。気合あふれる投球で「投げる金剛力士像」とも呼ばれた。1メートル80、85キロ、右投げ右打ち。

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2013年10月19日のニュース