ブラゼル 左投手から今年初の一発がV弾 伊東監督予感通りに

[ 2013年10月19日 06:00 ]

<楽・ロ>延長10回、先頭のブラゼルが右越えに勝ち越しソロを放ちホームイン

パ・リーグCSファイナルステージ第2戦 ロッテ4―2楽天

(10月18日 Kスタ宮城)
 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)第2戦は18日、ロッテが楽天に雪辱した。延長10回、クレイグ・ブラゼル内野手(33)が右越えに決勝ソロ。途中出場で7回に先制打を放った助っ人が、王手をかけられる危機を救った。セでは同じ3位の広島が巨人に3連敗。10年に3位から日本一になった本家・下克上軍団は粘り強さが違う。

 嫌な流れを全て振り払う一発だった。同点とされた直後の延長10回。先頭打者のブラゼルが楽天2番手の左腕・金刃の外角高めのカットボールを振り抜いた。打球は右翼ポール際に弾丸ライナーで飛び込む。一振りで勝負を決めた。

 「フェンスを越えるのは確実だと思った。いい場面で打てた。やっとチームに貢献できて、うれしい、のひと言」

 今季7月9日から途中加入した助っ人は11本塁打をマークしたが、全て右投手からだった。左腕には打率・133で0本塁打。絶対に負けられない一戦で、今年初めて左腕を完璧に攻略した。

 伏線は0―0の7回1死一、三塁。そこまで2打席連続で空振り三振だったサブローの代打で登場したブラゼルは、楽天先発・則本のスライダーをしっかり捉えた。ピッチャー強襲。則本が打球をはじく間(記録は投ゴロ)に三塁走者の井口が生還して、待望の先取点をもたらした。「きのうの打撃練習もよかった。(則本に)落ちる球が少なかったからね」とは伊東監督。フォークやチェンジアップなど縦に落ちる変化球を苦手にしているブラゼルだがスライダーなど横の変化球なら対応できるという指揮官の見立てだった。

 左腕・金刃がマウンドに上がった10回も、右打者を代打で起用する選択肢も十分にあった。それでも、指揮官は「先制点を挙げたツキもあったから」とそのまま打席に送った。そして値千金の決勝弾。「いい集中力だった。終盤に一発で決まる場面で、彼はチームに必要な存在」と上機嫌で振り返った。

 西武とのファーストSは4三振を含む9打数1安打。前日の第1戦は出場機会さえ与えられなかったブラゼルは「監督や仲間がいつも楽しんでやろうというやりやすい空気をつくってくれる。だから、準備を怠らないようにしていたんだ」と表情を崩した。

 楽天の2本柱の一角が登板した一戦をものにした。「緊張感のある試合だった。あすから落ち着いて試合ができる」と伊東監督。セ・リーグ3位の広島は敗れたが、「下克上アゲイン」をもくろむパ・リーグ3位のロッテの灯はまだまだ消えそうにない。

 ▼ロッテ・根元(延長10回にダメ押しの2点中前適時打)打席に入る前に立花打撃コーチから「自分の時間を楽しんでこい」と言われた。

 ≪敵地延長3連勝≫ロッテが延長戦を制し1勝2敗とした。ロッテのプレーオフ、CSでの延長戦を見ると
 年 S  回  スコア対イニング 
05(2)(3)●4―5ソ[10]敵地
10(1)(1)○6―5西[11]敵地
〃 (1)(2)○5―4西[11]敵地
13(2)(2)○4―2楽[10]敵地
 敵地で3連勝としぶとい。この日はブラゼルが勝ち越し弾。PO、CSの延長決勝本塁打は10年第1S(1)の福浦(ロ)以来2人目となった。また、自身のCS本塁打は阪神時代の10年ファーストS(1)以来2本目。PO、CSの両リーグ本塁打は和田(西、中)、小笠原(日、巨)、サブロー(ロ、巨)、西岡(ロ、神)に次ぎ5人目で外国人はブラゼルが初めて。

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