原監督 自在采配「昨年のチームよりも13年のこのチームは強い」

[ 2013年10月19日 06:00 ]

<巨・広>日本シリーズ進出を決めて胴上げされる原監督

セ・リーグCSファイナルステージ第3戦 巨人3―1広島

(10月18日 東京D)
 一度は辞退した。しかし、選手たちに促されると、巨人・原監督は申し訳なさそうに眼鏡を外した。リーグ優勝時の8回から、10回に増えた。日本一に輝いた昨年と全く同じパターンだ。験担ぎをした選手の手に身を委ねた。

 「胴上げはエネルギーを使うことなので、エネルギーを取って置いてくれということだったんですけど、やってもらいました。ありがとうございました」。積極策がこの日もはまった。同点の4回だ。1死一塁、坂本の場面でヒットエンドラン。左中間への二塁打で一塁走者のロペスが一気に本塁を突き、勝ち越しに成功した。2点リードの6回無死一塁ではロペスに犠打のサイン。得点にはつながらなかったが、シーズン同様、外国人選手でも走者を進めさせる手堅い作戦を短期決戦でも貫いた。自己犠牲に基づいたチームプレーでの無傷でのCS突破。「昨年のチームよりも13年のこのチームは強いです」。ファンの前でナインを称えたのは本心だった。

 用意周到にファイナルSを迎えた。9月22日にリーグ優勝が決まるとローテーション投手は調整を最優先させた。杉内は9月21日の先発後に出場選手登録を抹消。最多勝の可能性があったエース内海は同24日、菅野も同28日で先発した後、最終戦となった今月8日のヤクルト戦で調整登板させただけだった。ローテーションを最後まで守らせた昨年とは全く違った。

 「あくまでも日本一連覇が目標」。その信念が前日の菅野の完封、この日の杉内の好投につながった。「いい状態でゲームに入ることができたのがよかった。教訓になっていると思いますね、昨年が」。中日に3連敗して崖っ縁に立たされた昨年のファイナルSとは全く対照的な結果だった。

 前回日本一連覇したのはV9を達成した73年。川上哲治が率いた。ONがいて、エース堀内がいた。原監督は東京ドームで高らかに「最後のヤマ。この最後のヤマを必ず越えます」と誓った。

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2013年10月19日のニュース