痛恨幕切れ…「スイングゴー」赤松、俊足が故の判断ミス

[ 2013年10月17日 08:17 ]

<巨・広>9回2死一、二塁、菊池の遊撃内野安打で三塁ベースをオーバーランした赤松がタッチアウト。ガックリ肩を落とす広島ベンチの選手たち

セ・リーグCSファイナルS第1戦 広島2―3巨人

(10月16日 東京D)
 ぎりぎりの判断が明暗を分けた。1点差の9回2死一、二塁。広島・菊池の打球は緩いゴロで三遊間へ飛ぶ。抜けるか止めるか。極めて微妙な一打を遊撃手・坂本がダイビングで止め、三塁をオーバーランした二塁走者の代走・赤松がタッチアウトとなって広島は大事な初戦を落とした。

 「あれは(打球が左翼へ)抜けてない段階で判断しないといけない。その判断は難しい…」

 足のスペシャリストの赤松だからこそ難しいプレーだった。場面は2死一、二塁で2ボール2ストライク。「スイングゴー」だから打者・菊池が振ると同時に赤松はスタートを切った。スピードに乗って三塁を回る手前では、巨人の内野が深めの守備でまだ打球を捕られるか分からない。しかし、打球判断のためにスピードを落としたら、もし抜けた場合にホームは間に合わなくなる。

 「いつもよりも1、2歩手前で判断しないといけなかった。その分(オーバーランして)アウトになった」。実際に坂本の捕球を確認したのは三塁ベースを回ってからだという。ストップを指示していた三塁ベースコーチの永田守備走塁コーチは「止まってほしかったが、ジェスチャーが小さかったかも。見えなかったなら俺の責任」と反省する。でも、赤松は自分の判断と言った。「あそこで止められても止まらない。自分の判断で止まらないと無理です」。

 足は広島の大きな武器。その武器があるが故に敗れた。

 ≪幕切れは初めて≫広島は1点を追う9回表2死、菊池の内野安打で二塁走者の赤松が三塁をオーバーランし、帰塁できずにゲームセット。過去のプレーオフ、CSで1点ビハインドのチームが盗塁死を除く走塁ミスで試合終了となったのは初めてだ。日本シリーズでは87年巨人が対西武第3戦の9回裏1死スコア1―2の場面で、一塁走者の原が吉村の一直で一塁に戻れずに敗れたのがあるだけ。ポストシーズンでは26年ぶり2度目、オーバーランで終了は初のケースになった。

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2013年10月17日のニュース